債券外貨建て債券の魅力

外貨建て債券の大きな魅力は、"高金利"であることと"分散投資"ができることです。

魅力1:海外の高金利

金利って何?

金利とは、お金の貸し借りの際に生じる利息や利子を、資金(元本)に対する割合で表示したものです。
金利にはさまざまなものがありますが、代表的なものに「政策金利」があります。各国(各地域)の中央銀行は、政策金利を上下させることによって、経済を安定させています。各国(各地域)の金利は、経済と連動しています。例えば、政策金利が上がるような経済環境ならば、住宅ローンの金利も上がります。

海外が高金利って本当?

一般的に日本は、政策金利が低いことで知られています。各種金利は連動しているので、それぞれの国や地域の政策金利に注目すれば、日本と比べてどの国や地域の金利が高いのかがわかります。

主要国の政策金利推移
(2007年2月28日~2014年2月28日)
出所:bloombergのデータを元に東海東京証券作成

仮にこの政策金利と同じ利率の5年満期の債券を100万円分購入し、満期まで保有したら利子(税引き後)がどれくらいになるのかを計算してみましょう。(ここではわかりやすくするために単利で計算し、為替は考慮していません。)

【債券A】日本の政策金利と同じ利率
利率:年0.1%、期間:5年、投資額:100万円、利子に対する税金20.315% 1,000,000×0.001×5×0.79685=3,985円(税引き前5,000円)

【債券B】ニュージーランドの政策金利と同じ利率
利率:年2.5%、期間5年、投資金額100万円、利子に対する税金20.315% 1,000,000×0.025×5×0.79685=99,606円(税引き前125,000円)

このように、5年間で受け取ることができる利子が大きく違ってくるため、外貨建て債券は個人投資家に人気なのです。
注意しなければならないのは、1つ1つの債券の利率は、政策金利だけでなく、発行体の格付けや満期までの期間などを総合的に考慮して決められるということ。例えば、日本は低金利ですが、格付けの低い日本の企業が債券を発行する場合、それなりに高い金利を設定すると考えられます。なぜなら、「格付けが低い=信用度が低い」なので、利子の支払いが滞ったり元本が返って来ないリスクがあります。リスクが高いのに低金利だと、投資家にとって魅力ある商品ではありません。なので、高金利に設定される可能性が高いのです。

魅力2:分散投資ができる

投資のリスクを回避するためには、分散して投資を行うことが大切です。さまざまな分散投資がありますが、外貨建て債券への投資は「通貨の分散」にあたります。

分散投資の種類
商品の分散 預貯金・国内株式・国内債券・海外株式・海外債券等値動きの異なる複数の商品に投資します。
時間の分散 「安く買って高く売る」ことが収益を得る基本ですが、今が本当に安いのか判断するのは専門家でも難しいものです。ですから一度に投資するのではなく、投資する時期を分散します。
通貨の分散 日本円以外の外貨で運用することにより、円安による円資産価値の減少を抑え、日本より高い金利を享受します。また、複数の通貨に投資することにより為替リスクを分散します。
金融機関の分散 金融機関の破綻リスクに備えるため、複数の金融機関に資金を分散させます。

通貨分散のメリット

  • * 便宜上、手数料等諸費用の考慮はしておりません。

(1)もともとの為替レートが1米ドル100円だったとします。その時点で外貨建て債券を100万円購入したとします。

(2)円安が進み、1米ドル110円になれば、(1)の時に100万円で購入した外貨建て債券の価値は110万円になります。円安の影響で10万円の評価益。

(3)円高が進み、1米ドル90円になれば、(1)の時に100万円で購入した外貨建て債券の価値は90万円になります。円高の影響で10万円の評価損。

つまり、外貨建て債券は金利が高いだけでなく、円安になった場合に売却すれば利益を得ることができるというメリットがあります。
お金に国境はありません。視野を世界に広げ、自分が保有している資産が相対的にどのくらいの価値を持っているのか、日本の市場以外に収益をあげるチャンスはないのかを考えてみましょう。