債券債券の主なリスク

債券は、満期(返済期限)には、額面金額が戻り、その間、決められた利息が定期的に支払われることが約束されています。しかし、債券にも他の金融商品と同じようにリスクがあります。債券にはどのようなリスクがあるか見ていきましょう。

3つの主なリスク

1.信用リスク

債券の元本や利息の支払いが滞ったり、支払い不能が生じるリスクをいいます。
信用リスクをチェックするためには、発行体の事業内容や財務状況などに関する情報を確認する必要があります。社債(企業が発行する債券)や外貨建て債券には、これらを記載した目論見書(もくろみしょ)があります。購入する際には、同時もしくは事前に交付されますので、必ず見てください。 とはいえ、わたしたち一般投資家にとって、債券を発行する企業などがどのくらい信用度があるかを判断することは容易ではありません。そこで、発行体の信用度を判断するための目安として、格付けを参考にすることができます。

2.価格変動リスク(金利変動リスク)

満期前に途中換金する場合は、市場価格(時価)での売却になります。そのため、購入価格を上回ることもあれば、下回ることもあります。(個人向け国債除く)

3.為替変動リスク

外貨建て債券など、外国の通貨で利息や償還金が支払われる場合、それぞれの受取り時点における為替水準によって、円での受取り金額が変わります。
円安になった場合、円での受取り金額は増え、為替差益を得ることができますが、円高になった場合、円での受取り金額は減り、為替差損を被ることになります。これを為替変動リスクといいます。

格付けって何?

格付けとは、債券ごとに元本や利息の支払いの確実性について、専門的な格付け機関が評価して、その度合いを簡単な符号(AAA「トリプルA」、B「シングルB」など)で表したものです。また、格付け機関によっては、+(プラス)や-(マイナス)表示を付加することがあります。

格付けが高い債券ほど信用度が高く、低い債券ほど信用度が低いと判断できます。一般的に、この信用度に応じて、債券の利回り(金利)が異なります。信用度が高いほど、利回り(金利)は低く、信用度が低いほど、利回り(金利)は高くなります。

債券の価格と金利の関係

原則として債券は、満期(返済期限)に額面金額が戻ります。ただし、満期前に途中換金する場合には、市場価格(時価)での売却になります。
債券の市場価格を動かす主な要因として、金利の変動があげられます。一般的に、金利が上がると、債券価格は下がり、金利が下がると、債券価格は上がります。

なぜこのような関係になるのでしょうか?

金利が上がった場合を考えてみましょう。

今、「額面金額100万円、期間3年、利率5%」の債券が発行されたとします。この債券を購入すると、年5万円(税引き前)の利息が支払われます。

ここで、世の中の金利が7%に上がったとします。そして、債券の利率も世の中の金利に連動して7%に上がったとすると、債券は「額面金額100万円、期間3年、利率7%」となります。この債券を購入すると、年7万円(税引き前)の利息が支払われます。

先程の利率5%の債券が100万円のままだった場合、どちらの債券が魅力的でしょうか。利率5%の債券より、7%の債券を購入するでしょう。利率5%の債券を額面金額100万円で購入する人はいなくなり、金利水準7%まで価格が下落して取引されることとなります。