為替外国為替市場ってどこにあるの?

さまざまな国や地域の通貨を交換(売買)するのが外国為替市場です。実は外国為替市場という場所は存在していません。電話やコンピューターを使って売買を行っています。

外国為替市場の仕組み

外国為替市場は銀行同士が通貨を売買している「インターバンク市場」と、銀行と個人や一般企業などが通貨を売買している「対顧客市場」の2つに分けられます。
インターバンク市場では、取引したい人同士が直接取引しています。対顧客市場では、銀行が売買を仲介し、個人や企業などと取引を行います。

インターバンク市場の参加者

インターバンク市場には、中央銀行、為替ブローカー、証券会社、短資会社、電子ブローキングが参加します。

中央銀行

日本では、日本銀行(日銀)です。中央銀行はそれぞれの国や地域の金融政策の方針を決めています。必要であれば、市場に介入してその金融政策を実現するための手段をとることもあります。

為替ブローカー

銀行に代わって売買の仲介を行います。為替ブローカーに仲介を頼まない場合は、自分で取引の相手を探す必要があります。

短資会社

取引の仲介を行います。短資会社はコール市場や手形市場などでも仲介業務を行っています。

電子ブローキング

コンピューターが仲介して売買します。仲介手数料が安く、人間と比べてミスもないため今では為替ブローカーより電子ブローキングの比重が高まっています。

対顧客市場の参加者

対顧客市場には、機関投資家、商社、輸出入業者、個人などが参加しています。

機関投資家

膨大な資金を運用して利益を得ようとする企業のこと。生命保険会社・損害保険会社、年金や投資信託を運用する団体などの機関投資家が対顧客市場で為替を売買しています。

商社や輸出入業者

例えばモノを輸出する会社の場合、儲けは当然外貨(日本以外の国や地域の通貨のこと)で支払われます。だからといって日本国内の従業員にドルやユーロで給料を支払うわけにはいかないので、日本円に交換する必要があります。逆にモノを輸入する会社の場合、モノを輸入する際の代金の支払いは外貨で行います。手元に円しか持っていなければ、円を外貨に交換する必要があります。

個人

海外旅行に行くときなど、銀行で円を外貨に交換してもらいます。これは、対顧客市場に参加しているということです。銀行で外貨預金をする人も対顧客市場に参加していることになります。

外国為替市場の取引時間

外国為替市場では24時間取引が行われています。東京、香港、ロンドン、ニューヨークなど実際の証券取引所で取引される株式と違い、外国為替市場はインターネットなどで売買されるので何時から何時までという取引時間に拘束されることはありません。
ニュースで「今日の東京外国為替市場では1ドルいくらで取引されていました」とか「ニューヨーク外国為替市場では」と報道されることがありますが、実際に取引場所があるわけではなく、その時間帯に中心となって取引を行う銀行が存在する都市(国)のことを指しているだけです。

一般的には、朝9時~17時(日本時間)の取引のことを「東京外国為替市場」、夕方16時~深夜2時(日本時間)の取引のことを「ロンドン外国為替市場」、夜21時~翌朝6時(日本時間)の取引のことを「ニューヨーク外国為替市場」と呼んでいます。
取引は、日本時間でいうと、月曜日の朝から土曜日の朝まで行われています。
上記は夏時間です。冬時間の場合は+1時間です。