新しいNISA制度
2024.07.26

【NISAを知ろう】少額投資のメリット・デメリットとは?資産運用のコツも併せて解説

  • #新NISA
  • #資産運用
文/NISAセンター 松本智則
目次

    「人生100年時代」という言葉を見聞きしたことがある方もいるでしょう。個人の生き方や働き方も多様化し、それぞれのライフプランに合わせた資産形成が必要になってきました。

    しかし、資産形成というと投資でリターンが得られる期待感よりも、損するかもしれないという不確実性に敏感となり、なかなか踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

    そこで、今回は投資初心者の方でも始めやすく続けやすい、少額投資について解説します。
    本記事では、少額投資のメリット・デメリットや資産運用で失敗しないためのコツを知ることができます。少額投資は、比較的ローリスク・ローリターンの投資ですので、最初の一歩を踏み出し、実践を通して資産運用への理解を少しずつ深めていけるよう、ぜひ最後までお読みください。

    少額投資とは?

    少額投資とは、その名の通り、少額で始められる投資のことです。
    「少額」の明確な定義はないものの、投資においては数万円以下から始められる投資のことを指すことが多くなっています。

    株式投資は基本的には100株単位での取引となり、数万円~数十万円程度で投資できる銘柄が多くあります。

    また、近年では1株単位で取引できるサービスや、1万円など設定した金額内で買付するサービスを取り扱う証券会社もあります。

    また、投資信託では最低1万円から投資できる商品が多いですが、積立投資では毎月千円から始められるなど、金額のハードルは低くなってきており、投資に対して資金をあまり出せない方でも始めやすくなってきたと言えます。

    少額投資とはいえ、時間を味方に長期間続けることで、将来的には大きな運用成果が得られる可能性もあり、20~30代でも始めてみることがおすすめです。

    少額投資のメリット

    少額投資のメリットとして、以下の4つが挙げられます。

    手軽に始められる 損失額が比較的小さい 分散投資がしやすい 投資の経験を積める
    それぞれについて詳しく解説します。

    手軽に始められる

    先ほど説明しましたが、少額投資は数万円以下から始められることを指すことが多く、中には数百円程度から始められるものもあります。
    まとまった金額を始めに用意する必要はないため、まずは1万円以下で投資を行い、様子をうかがってみるのも良いでしょう。

    損失額が比較的小さい

    投資は利益が得られる可能性もありますが、損失が生じることもあります。
    少額投資では、投資金額が比較的小さいため、仮に保有商品が値下がりしたとしても、損失額は相対的に小さくなります。いきなりまとまった金額を投資するよりも精神的な余裕が生まれるでしょう。

    分散投資がしやすい

    分散投資とは、投資する資産やタイミングなどを統一せず、複数に分けて投資する方法のことです。

    投資するにあたって、分散投資はリスクヘッジの意味で有効な方法だとされています。

    少額投資であれば、1つの商品への投資金額が少なくなり、複数資産に投資をしたとしても合計の投資金額を抑えることができるため、分散投資がしやすいと言えるでしょう。

    投資の経験を積める

    投資を行う上で大切なことは、商品の値動きの仕組みや自分がどの程度の損失なら耐えられるかを知ることです。

    少額でも投資を始めてみることで、これまで気になっていなかったマーケットニュースや投資商品の価格動向に興味を持つことができると思います。また、下落局面の際には、自分がどの程度の損失なら耐えられるのかの判断がつくようになります。

    もちろん、投資を始める際は、動画やセミナー、書籍などで知識を蓄える必要がありますが、実際の取引を体験することで得る学びもあるでしょう。

    本格的に投資を始める前に、まずは少額投資で経験を積み、自分の運用スタイルを見つけるのが良いでしょう。

    少額投資のデメリット

    続いて、少額投資のデメリットについて解説します。ポイントは以下の3つです。

    短期間で大きな利益は目指しにくい 投資できる商品に制限がある 手数料が割高な場合がある
    それぞれについて深堀します。

    短期間で大きな利益は目指しにくい

    少額投資は、投資金額が小さいため、まとまった利益を得るためにはある程度の時間がかかることがほとんどです。

    例えば1万円をある商品に投資して、仮に50%価格が上昇したとします。この場合、得られる利益は5千円となります。(※税金や手数料などは考慮しておりません)

    少額投資を行うにあたっては、すぐに大きなリターンを得ることは考えず、気長にコツコツ積み上げていく姿勢が必要です。

    投資できる商品に制限がある

    少額投資できる商品や銘柄、時間には制限があり、一般的な投資と比べて自由度が低くなります。

    例えば、少額投資ができる単元未満株で見てみると、各証券会社が独自に提供するサービスなので、そもそも取り扱いがない証券会社や、取引できる銘柄・時間に制限がある場合があります。

    少額投資を行う際は、自分が買付したいと思う投資商品の取り扱いがあるか、投資金額の設定はどうなっているかを確認しておきましょう。

    手数料が割高な場合がある

    少額投資では、投資額に対して手数料の割合が高めに設定されていることがあります。

    例えば、単元未満株式の取引では、取引のたびに手数料がかかる体系としているケースが多く、少額で取引を繰り返し行うと運用コストが高くなってしまうことになります。

    そのため、せっかく利益が出ていても手数料で相殺されてしまい、結果的に大した利益にならないこともあるかもしれません。手数料を考慮した取引を考える必要があるでしょう。

    少額投資で失敗しないための3つのコツ

    続いて、少額投資で失敗しないための3つのコツを紹介します。

    すぐに利益を求めず長期投資を心がける 投資金額の上限額を決めておく 手数料や課税額を知っておく
    それぞれについて詳しく解説します。

    すぐに利益を求めず長期投資を心がける

    少額投資では、短期間で大きな利益を目指しにくいことを先ほど解説しました。

    投資の成果は「量×価格」で決まるため、投資を始めてすぐにはまとまった「量(投資金額)」にはならなくとも、長期でコツコツ投資金額をためていくことが大切です。

    投資金額の上限額を決めておく

    投資の利益が出てくると「もっと投資金額を増やして多くの利益を得たい」と思うかもしれませんが、投資金額の上限はあらかじめ決めておくほうが失敗は少ないでしょう。

    例えば、利益や損失が出るたびに投資金額を追加していくと、管理が難しくなり、余裕資金の範囲を超えて無理した投資につながる恐れがあります。

    少額投資とはいえ、家計に対する影響が大きくなり、日々の生活が圧迫されてしまっては大変なので、一回の投資金額や商品ごとの上限を決めておくとよいでしょう。

    手数料や課税額を知っておく

    少額投資は、手数料が割高になることが多く、手数料が利益を上回ってしまう「手数料負け」を起こしやすいという特徴があるため、気を付けましょう。

    特に、少額だからと言って回転売買を行ったり、頻繁に商品を入れ替えたりすると、手数料負けを起こしやすくなると言えます。

    また、少額とはいえ、投資で得た利益に対しては税金がかかります。

    手数料や税金の負担を把握して投資を行うことが重要です。

    NISAを使った少額投資について

    少額投資を続けるポイントとして、NISAを活用する方が増えてきています。

    NISAとは、少額投資を行う方のために2014年1月から始まった「少額投資非課税制度」です。

    NISAの魅力は、運用益(売却益・配当/分配金)が非課税となるところです。利用する年の1月1日時点で日本国内に住まわれている18歳以上の方ならどなたでも口座開設が可能です。

    そして、NISAは2024年1月から制度が大きく変わりました。2023年までの旧NISAと今年から始まった新NISAの主なポイントを表にまとめてみました。

    項目 旧NISA 新NISA
    一般NISA つみたてNISA 成長投資枠 つみたて投資枠
    投資枠の併用 不可 可能
    年間投資枠 120万円 40万円 240万円 120万円
    非課税保有限度額 600万円 800万円 1,800万円
    ※売却すると投資枠は翌年以降に
    再利用可能
    (1,800万円のうち
    成長投資枠は1,200万円まで)
    非課税保有期間 5年間 20年間 無期限
    制度実施期間 ~2023年末 2024年1月~(恒久化)
    対象年齢 18歳以上の成人 18歳以上の成人
    購入方法 一括・積立 積立 一括・積立 積立
    対象商品 上場株式・投資信託等 金融庁の基準を満たした投資信託に限定 上場株式・投資信託等 金融庁の基準を満たした投資信託に限定

    出所:金融庁・投資信託協会をもとに東海東京証券作成

    旧NISAでは一般NISAかつみたてNISAのいずれかしか利用できませんでしたが、新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠を併用できるようになりました。

    年間投資枠、非課税保有限度額も大きく増えたことで、運用の選択肢は大きく広がったと言えます。少額投資でコツコツ積立投資が可能なつみたて投資枠であれば、非課税保有限度額の1,800万円まで積み立てることができますので、税制優遇を受けられるNISAを活用した投資もぜひ検討してみてください。

    まとめ

    本記事では、少額投資について解説しましたが、どのような商品があるのか、マーケットの勉強はどうしたらいいのかなど、興味を持たれた方もいるのではないでしょうか。

    そこで、さらに詳しく知りたい方のために、東海東京証券の「東海東京TV(動画配信)」や「東海東京LIVE!プラス(オンラインセミナー)」をご紹介します。

    動画を視聴する、セミナーに参加することで、さらに理解が深まるため、ぜひご覧ください。

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