新しいNISA制度
2024.09.04

ジュニアNISAとは?
制度内容や2024年以降の対応などについて解説

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文/NISAセンター 松本智則
目次

    18歳未満の未成年の方向けのNISAとして「ジュニアNISA」がありましたが、2023年末にて制度は終了となりました。

    この記事では、ジュニアNISAの概要や、2024年以降の対応、新NISAなどについて解説します。

    NISAを活用して未成年のお子さまの資産形成を検討されている方にとって参考になる情報をまとめているため、ぜひ最後まで読んでみてください。

    ジュニアNISAとは

    ジュニアNISAとは、2016年に開始された18歳未満の未成年者向け少額投資非課税制度です。

    対象者 18歳未満
    対象商品 上場株式や投資信託など
    年間投資限度額 80万円
    非課税保有期間 5年間

    出所:金融庁ホームページをもとに東海東京証券作成

    ジュニアNISAの口座名義人は、お子さまである未成年者本人となり、両親や祖父母などの二親等以内の親族の方が運用管理者として口座を管理し、年間80万円を上限に株式や投資信託などへ投資をすることができました。

    通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当金や分配金に対しては、約20%の税金がかかりますが、ジュニアNISA口座で投資をした場合は非課税となりました。

    ジュニアNISAは2023年末で制度が終了

    ジュニアNISAは、2023年末に制度が終了となりました。

    2023年9月末でジュニアNISAの口座開設申込は終了し、すでに開設しているジュニアNISA口座での新たな投資についても2023年末でできなくなりました。

    そのため、お子さまの教育資金を形成したい場合には、ご両親の名義で新NISAを始めるなどの対応が必要となりました。

    ジュニアNISAが終了となった理由や背景

    ジュニアNISAが終了となった理由や背景には、口座開設数の低迷が考えられます。

    同じく2023年末で終了となった一般NISA、つみたてNISAと口座開設数を比較してみます。

    口座開設数
    一般NISA 1090万4260口座
    つみたてNISA 783万1060口座
    ジュニアNISA 98万7296口座

    ※2023年3月末時点
    出所:金融庁|NISA口座の利用状況調査(2023年3月末時点)

    ジュニアNISAの口座開設数が低迷した理由のひとつは、18歳になるまでは原則払い出しができないという使いづらさがあったと考えられています。

    ジュニアNISAの終了に伴う変更点

    ジュニアNISAの制度が終了となったことにより、以下の点が変更となりました。

    年齢や理由に関わらず払い出しが可能

    ジュニアNISAでは、18歳以降※でないと払い出しができませんでした。しかし、2024年からは、年齢や理由などに関わらず、いつでも払い出しが可能となりました。

    ただし、保有商品の一部のみを払い出すことはできず、ジュニアNISA口座で保有する全ての商品を払い出す必要があります。また、払い出しをした場合は、ジュニアNISA口座は閉鎖されます。
    ※3月31日時点で18歳である年の1月1日以降

    ジュニアNISAの終了に伴う対応

    2023年末までにジュニアNISA口座を開設し、投資されていた方は、お子さまの年齢によって対応の仕方が変わるので注意が必要となります。

    お子さまが18歳未満の場合

    お子さまが18歳未満の場合、非課税保有期間が終了すると、18歳まで※継続して投資商品を保有できる継続管理勘定へ自動的に移管されます。引き続き、非課税で保有することができるため、特に新たな手続きをする必要はありません。
    非課税で保有しながら、保有商品が上がったタイミングで売却するのが理想的です。
    ※1月1日時点で18歳である年の前年の12月31日まで

    お子さまが18歳以上の場合

    非課税保有期間の終了時に18歳以上であった場合、特定口座もしくは一般口座へ保有商品が自動的に払い出されます。この場合も手続きは不要ですが、払い出し後の利益は課税対象となります。

    また、ジュニアNISA口座を開設されていた金融機関で自動的に新NISA口座が開設されます。新NISAとは、2024年から開始された「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つから成る、新しいNISA制度のことです。

    お子さまが引き続き投資を行う際には、課税口座でも投資できますが、運用益に税金がかかるため、新NISAを利用して投資するのもよいと言えるでしょう。

    旧NISAと比較しつつ、新NISAの特徴を表にまとめてみます。

    項目 旧NISA 新NISA
    つみたてNISA 一般NISA つみたて投資枠 成長投資枠
    投資枠の併用 不可 可能
    年間投資枠 40万円 120万円 120万円 240万円
    非課税保有限度額 800万円 600万円 1,800万円
    ※売却すると投資枠は翌年以降に
    再利用可能
    (1,800万円のうち
    成長投資枠は1,200万円まで)
    非課税保有期間 20年間 5年間 無期限
    制度実施期間 ~2023年末 2024年1月~(恒久化)
    対象年齢 18歳以上の成人 18歳以上の成人
    購入方法 積立 一括・積立 積立 一括・積立
    対象商品 金融庁の基準を満たした投資信託に限定 上場株式・投資信託等 金融庁の基準を満たした投資信託に限定 上場株式・投資信託等

    出所:金融庁・投資信託協会をもとに東海東京証券作成

    大きな特徴は以下の4つです。

    つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能 非課税保有限度額が最大1,800万円に拡大 年間投資枠が最大360万円に拡大 非課税保有期間の無期限化
    旧NISAでは併用できなかった「つみたてNISA」と「一般NISA」が、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という名称に変わり、併用できるようになりました。

    そして、新NISAでは非課税保有限度額が1,800万円へ拡大されています。1,800万円のうち、成長投資枠は1,200万円までという制限がありますが、大きな変更点だと言えるでしょう。

    また、年間投資枠はつみたて投資枠と成長投資枠を合わせて、最大360万円までとなっており、大幅に拡大されています。

    さらに、非課税保有期間が無期限になっています。そのため、運用期間を気にすることなくじっくり、ゆっくり売却時期を判断することもできるようになっています。

    2024年以降のジュニアNISAの注意点

    2024年以降のジュニアNISAの注意点として、以下が挙げられます。

    新NISAには移管できない

    先ほど解説しましたが、最長5年間の非課税保有期間終了時に18歳以上であった場合は課税口座への払い出しとなり、新NISAへの移管はできません。

    ジュニアNISAで保有していた商品を、18歳以降も非課税で運用したい場合は、いったん金融商品を売却し、新NISAで新たに購入しなければいけません。

    まとめ

    ジュニアNISAの制度は、2023年末で終了となりました。

    しかし、子どもの教育費用などの資金を形成するために、投資への興味がある方も多いと思います。そのような方は、新NISAをチェックしてみるとよいでしょう。

    東海東京証券が運営するNISAセンターのホームページでは、これからNISAを始めようと思われている方やNISAを難しいと思われる方などに向け、NISAがわかる、理解できるようなコンテンツを多く掲載しています。今後、資産運用や金融リテラシーを向上させたい方は、ぜひ色々な記事をご覧いただき役立ててください。


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