新しいNISA制度
2025.03.07

NISAの最低投資金額は?少額投資でも長期なら期待できる理由について解説

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文/NISAセンター 松本智則
目次

    NISAは、周囲でも始める方が増え、またメディアでも取り上げられることが増えたため、興味が湧いて始めてみたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

    しかし、「現状、大きなゆとりがあるわけではない」、「多くの金額を投資に回すのに抵抗感がある」という方もいるかもしれません。そのような方は、NISAを少額から始めてみることを検討されてはいかがでしょうか。

    本記事では、NISAで少額投資を行う場合、最低金額はいくらから始められるのか解説します。これからNISAを始めてみたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

    上限金額にとらわれず無理のない範囲で長期投資をしよう

    NISAとはどのような制度なのか、改めて特徴を表にまとめます。

    つみたて投資枠 成長投資枠
    制度の併用 可能
    年間投資枠 120万円 240万円
    非課税保有限度額 1,800万円(うち、成長投資枠1,200万円)
    非課税保有期間 無期限
    対象年齢 18歳以上の成人
    買付方法 積立 一括・積立
    投資対象商品 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 上場株式・投資信託等

    出所:金融庁ホームページをもとに東海東京証券作成

    NISAは、2024年1月から大きく制度が変わり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つが併用可能になりました。

    また、NISAと言うと、毎月の積立をイメージする方も多いかもしれませんが、毎月だけではなく毎日、毎週買付を行うように設定できる金融機関もあります。成長投資枠も活用すれば一括で買付することも可能となっています。

    NISAについて調べてみると、「年間投資枠が最大で年間360万円に増えた」、「非課税保有限度額は最大で1,800万円に拡大」などと上限の拡充について触れていることが多いかもしれません。

    しかし、あくまでもそれは上限の話です。無理をして上限までNISAを利用する必要性はありません。

    人によって、投資をする目的や目標金額が異なるものです。シミュレーション機能などを活用しつつ、自分に適したNISAの利用方法を考えましょう。

    NISAの積立最低金額は金融機関によって異なる

    それでは、ここからはNISAでの投資金額下限の話をします。

    NISAでは、一括での買付(成長投資枠に限る)か定期的に積み立てるかを選択できますが、投資初心者の方やライフステージによってまとまった投資資金の準備が難しい方などの場合は、毎月あらかじめ設定した積立最低金額を投資し続ける選択をしたほうが良いかもしれません。

    なぜなら、最低金額でも投資商品を分散させ積み立てることで、投資の基本である「長期・積立・分散」のメリットを活用することができるためです。証券会社や銀行などの金融機関によって、積立最低金額が異なるのですが、毎月1,000円から積み立てできるところも多くあります。

    つまり、最低投資金額の1,000円を毎月投資に回すことができれば、NISAを利用し投資を続けることが可能です。

    成長投資枠も少額投資ができる

    NISAで積立投資を行う場合、つみたて投資枠を利用される方が多いかと思いますが、実は成長投資枠でも積立投資ができます。そして、成長投資枠でもつみたて投資枠と同様に、少額から金額設定できるケースがほとんどです。

    成長投資枠では、つみたて投資枠で買付できるインデックスファンドの多くが買付できる設計になっています。また、つみたて投資枠では投資ができないアクティブファンドも一部買付できるので、成長投資枠を活用して少額投資をしてみるのもよいでしょう。

    また、金融機関によっては、取引単位に満たない単元未満株を成長投資枠で買付することもできるようになっています。

    NISAの積立投資は少額でも意味がある?

    NISAで最低投資金額からでも投資を始めてみようか悩んでいる方にとって疑問なのが「少額でも意味があるのか」ということかもしれません。

    NISAはあくまでも投資ですので、利益だけではなくリスクのことも考える必要があり、将来的にいくらの利益が出るのか約束されているわけではありません。

    ですから、少額でも意味があるかは、今のライフステージや資産状況、また将来の目的(住宅の購入、老後資金など)に向け預貯金だけで足りるのかなどによって答えが変わってくるかと思います。

    そこで参考になるのが、シミュレーション機能を利用して、具体的なイメージを確認することです。毎月いくらを何年間積み立てた場合、想定利回りを何%だとすると、元本や運用収益がいくらになるかなど算出することができます。

    たとえば、金融庁が提供する「つみたてシミュレーター」で算出してみると、以下であることがわかります。
    ※本シミュレーションのいかなる内容も、将来の結果を予測し、保証するものではありません

    条件1:毎月1,000円、運用利回り3%
    元本 運用収益 運用資産額
    10年 12万円 2万円 14万円
    20年 24万円 9万円 33万円
    30年 36万円 22万円 58万円
    条件2:毎月1,000円、運用利回り5%
    元本 運用収益 運用資産額
    10年 12万円 4万円 16万円
    20年 24万円 17万円 41万円
    30年 36万円 47万円 83万円

    毎月1,000円を積立投資した場合、上表のようなシミュレーション結果となりました。運用収益の数字だけを見て少ないと感じる方もいるかと思いますが、このように少額であっても長期間で見てみると元本に対し大きな運用収益が期待できる可能性があります。

    もう少し積立金額を増やした場合はどうなるか見てみましょう。

    条件3:毎月5,000円、運用利回り3%
    元本 運用収益 運用資産額
    10年 60万円 10万円 70万円
    20年 120万円 44万円 164万円
    30年 180万円 111万円 291万円
    条件4:毎月5,000円、運用利回り5%
    元本 運用収益 運用資産額
    10年 60万円 18万円 78万円
    20年 120万円 86万円 206万円
    30年 180万円 236万円 416万円

    あくまでもシミュレーションであるため、必ずこのような成果が得られる保証はありませんが、何もせずに長期間お金を置いておくのであれば、少額であっても毎月積立投資を行うことで、将来の目的にかかる資金の一部にできる可能性もあると言えるでしょう。

    NISAで気を付ける3つのこと

    NISAを始める際に気を付けたいことは以下の3つです。

    投資の目的と目標金額から無理のない最低金額を考える 長期間にわたって投資をする 積立金額はいつでも変更できる
    それぞれについて詳しく説明します。

    投資の目的と目標金額から無理のない最低金額を考える

    そもそも投資の目的や目標金額は人によって違うはずです。たとえば同じ20代の方でも、将来の老後資金を用意する投資と、お子さまを大学に進学させるために必要な教育資金を用意する投資とでは、目標とする積立金額や積立期間が変わってきます。

    さらに、利回りが何%であるかによって、目標金額までの積立期間は変わってきます。

    過去の運用実績や運用方針などが記載されているレポートや目論見書を参考にして、将来的に成長が期待される商品に投資するとよいでしょう。

    なお、東海東京証券では、無料で投資情報を動画でわかりやすく解説している「東海東京TV」を用意していますので、ぜひ参考にしてみてください。

    長期間にわたって投資する

    先ほどシミュレーションをしてみましたが、早く始め長期間投資を行うと、少額でも大きな成果を得られる可能性があります。金融庁が公開している「NISAガイドブック」では、「長期・積立・分散」を行った場合のシミュレーションも掲載されていますので、こちらも参考にしてみてください。

    あくまでシミュレーションであり、将来の投資成果を予想・保証するものではありませんが、参考になる情報だと言えます。

    積立金額はいつでも変更できる

    現状、まとまった投資資金がない方が知っておきたい情報として、積立金額はいつでも変更できるということがあります。

    最初は毎月1万円から始めても、出費が重なって余裕がなくなってきたら、毎月の積立金額を大幅に下げることができます。どれだけ下げられるかは金融機関によって異なりますが、最低金額が毎月1,000円に設定されている金融機関の場合は、負担を大幅に軽減させられるでしょう。

    まとめ

    本記事では、NISAの最低金額について解説しました。

    メディアでは、上限金額の拡充について触れられることが多いですが、毎月1,000円といった少額の積立でも長期で運用すると元本に対して大きな成果を得られる可能性があります。

    NISAセンターでは、わかりやすく正確な情報を得ることができるコンテンツを多く掲載しています。資産運用始めたい方や金融リテラシーを向上させたい方は、ぜひさまざまな記事をご覧ください。

    また、YouTubeには、記事にはない内容も取り揃えていますので、ぜひこちらもご覧ください。
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