
円安になるとしたら投資はどうする?円安のメリット・デメリットなどを解説
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2024年のアメリカ大統領選挙、日本の金融政策決定会合などにより、為替の話題をテレビや新聞などで見かけることが多くなりました。為替の変動によって、保有している金融商品や今後の投資にはどのような影響があるのか、気がかりな方もいらっしゃると思います。
そこで本記事では、円安になるとしたら投資はどうするかという内容をテーマにして詳しく解説します。投資を始めるか悩んでいる方や投資を始めたばかりで不安がある方はぜひお読みください。
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円安とは
円安とは、日本の通貨「円」と他国の通貨を比べたときに、円の価値が下がっている状況のことを言います。
よく用いられるのが、基軸通貨である米ドルとの為替レートです。例えば、1ドル=130円だったものが、1ドル=150円になった場合、1ドルに交換するためにより多くの円が必要になります。つまり、円の価値が下落していると言えます。これが円安と呼ばれる状況です。
円安のメリット
円安のメリットとしては以下の3つが挙げられます。
●輸出企業の競争力が高まる ●外貨建て資産の資産価値が増える ●海外からの観光客が増える
円安時には輸出企業は売上高の上昇が見込めると言えます。例えば、1ドル=100円が1ドル=130円になった場合、海外で1ドルの商品を販売すると、これまで100円しか得られなかったものが、130円得られるようになり売上高が高まると言えます。
また、外貨建て資産を保有している場合、円安になると資産価値が増えます。例えば、銀行口座に1万ドルの資産を保有している場合、1ドル100円のときには100万円の価値ですが、1ドル150円になると150万円の価値になります。円安のタイミングで外貨建て資産を売却して日本円にすると利益を得られるでしょう。
さらに、円安時は、海外からの観光客が増える可能性があります。例えば、日本で1つ1万円のお土産を購入する場合、1ドル100円であれば100ドル必要ですが、1ドル140円なら約72ドルで購入可能です。円高時よりも安く日本旅行を楽しめるため、海外からの観光客が増え、その分インバウンド消費が期待できます。
円安のデメリット
円安のデメリットとしては以下の3つが挙げられます。
●輸入商品が割高になる ●物価やエネルギー価格が高騰する ●海外旅行のコストが割高になる
まず、輸入商品が割高になります。例えば、海外から石油や鉄鋼などを輸入して、商品を作る場合、1万ドルの原料を購入しようとすると、1ドル=100円であれば100万円であったものが、1ドル=130円になると130万円必要になります。原料の輸入コストが高くなるため、製品自体の値上げにも繋がってくることが予想されます。
また、円安は日々の生活にも関係します。例えば、スーパーで購入する小麦や小豆などは多くを海外から輸入しているため、円安が進むと価格が上がり、物価高騰の影響を感じざるを得ません。特に、自動車に乗る方はガソリンの値上げを強く感じるかもしれません。
さらに、海外旅行をする場合に、コストが割高に感じられるでしょう。例えば、海外旅行のために合計1,000ドル準備するとします。1ドル100円であれば、旅行費用は10万円で収まる計算になりますが、円安の状況下で1ドル150円になると、同じ旅行先であっても15万円の旅行費がかかることになります。
円安になるとしたら投資はどうする?
これから円安になると予想した場合、投資はどうしたらよいのでしょうか。代表的な金融商品の一部を解説します。
外貨預金
外貨預金とは、円を外貨に換えて預けることを言います。預け入れた時より円安が進むと為替差益が得られます。また、最近では日本の銀行預金金利も上がってきていますが、それでも外貨預金金利の方が高い場合が多いので、金利面でも有利となることがあります。ただし、逆に円高に振れてしまう場合には為替差損が発生することがあります。また、円と外貨を交換する際には為替手数料がかかることも多いため、しっかり確認した方がよいでしょう。
外貨建て投資信託
外貨建て投資信託とは、外貨で取引され、基準価額や分配金が外貨で表示される投資信託のことを言います。代表的なものとして、外貨MMFが挙げられます。外貨MMFは格付の高い外貨建ての国債や短期商品などを投資対象とする投資信託であるため、好利回りが期待できます。外貨で投資するため、円安が進むと為替差益が得られます。注意すべき点としては、為替の動向によっては為替差損が発生すること、保有中にコストがかかる点などが挙げられます。
外国債券
外国債券とは、発行市場・発行体・通貨のどれかが外国である債券のことです。外国債券は国内債券と比較すると利回りが高い傾向にあるため大きな魅力であると言えるでしょう。ただし、為替の動向によっては為替差損が発生すること、投資対象国の情勢問題、債券を発行した発行体の信用度など注意しなければならない点も多くあります。
外国株式
外国株式とは、海外の市場に上場している株式のことです。海外の企業が発行する株式を外貨で購入し、配当金も外貨で支払われる仕組みになっているため、日本円に換金するときに円安であれば有利になります。そのほか、為替差益を得ることもできます。ただし、為替の動向によっては為替差損が発生すること、企業情報などが国内企業に比べ少ないことなど注意する点も多くあります。
円安は投資を始めるチャンス?
円安が進む局面では、投資を始めるチャンスだという意見を持っている方もいます。円安が進むと、国内の輸出企業やインバウンド関連企業などの株価が上昇することが多く見られるためです。また、先ほど解説しましたが外貨資産に投資することで、為替差益を得られることもできます。
ただし、円安後に円高に変わることも考えられます。円安・円高に大きく左右されることのないよう、複数の資産を組み合わせたポートフォリオの構築を心がけましょう。なお、ポートフォリオとは、どれくらいの配分でどの資産(銘柄)に投資するかという組み合わせを指すものです。
気を付けたい注意点
円安が進む局面で投資をする注意点を2つ紹介します。
●円高に変わることも考えておく
●為替だけで投資判断をしない
それぞれ重要なポイントですので、詳しく解説します。
円高に変わることも考えておく
円安が進行する局面では、円を外貨に換えて為替差益を得たいと考える方もいるでしょう。しかし、将来のことは誰も予測できません。そのため、円高に変わることも十分に理解しておかないといけません。自分の資産状況を把握し、円の保有比率も意識する、また一つの通貨や円安で恩恵を受ける銘柄だけに投資をするのではなく、複数の通貨や資産へバランスよく配分するなど対応しておくことが大切です。
為替だけで投資判断をしない
円安で恩恵を受ける金融商品などへ投資をする際、為替だけをみて判断しないようにしましょう。例えば、円安の恩恵を受ける株式(銘柄)であったとしても、財務状況や業績見通しなどが芳しくない場合は、株価は下落してしまうこともあると言えます。一つのポイントだけで判断するのではなく、いろいろな情報を確認して投資をおこないましょう。
まとめ
この記事では、円安になるとしたら投資はどうするかという内容をテーマにして詳しく解説しました。
円安時に利益を得られる可能性が高い投資というものもありますが、あくまでも複数の資産のバランスを保ち、長期投資や分散投資を意識することが大切です。
また、為替だけではなく、いろいろな情報を確認して投資をおこなうようにしましょう。


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