新しいNISA制度
2025.07.30

10万円の資産を運用するなら?主な金融商品や制度、知っておきたいポイントなどを解説

  • #NISA制度
  • #資産形成
  • #投資初心者向け
文/NISAセンター 伊藤慎一
目次

    「10万円の余剰資金ができたから前から気になっていた資産運用を始めてみようか」そんなことを考える方もいるかもしれません。

    資産運用をするにはもっと多くのお金が必要と思われるかもしれませんが、10万円でも資産運用は始められます。そこで本記事では、資産運用をする際に知っておきたい金融商品や資産運用の制度、知っておきたいポイントについて解説します。

    少額からコツコツ資産運用したい方にとって参考になる情報をまとめているため、ぜひお読みください。

    【NISA始める前に見る動画】 NISAってなんなの?#1-1

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    資産運用を行う際に知っておきたい主な金融商品

    資産運用を行う際に知っておきたい主な金融商品は以下のとおりです。

    預貯金 株式 債券 投資信託

    上記のほかにも金融商品はさまざまありますが、ここではこの4つについて詳しく解説します。

    預貯金

    意外に思われるかもしれませんが、銀行や信用金庫などの預貯金口座にお金を預けることも資産運用の1つです。

    預貯金は、銀行などへお金を一定期間預けることで、銀行などが定める利息を受け取ることができます。また、基本的には元本が減ることはなく、銀行が破綻した場合でも一定金額までは元本が保証されています。そのため、リスクが小さいですが、大きなリターンは期待しにくい資産運用となっています。

    株式

    株式は、会社が事業を行うために必要な資金を投資家から出資してもらう際、その証書として発行されるものです。購入した株価(株式の価格)が上がれば、リターンを得ることができるほか、投資先の企業によっては配当金や株主優待を受け取ることもできます。

    しかし、株価が下がれば、元本を下回り評価損になってしまいます。

    株価は、企業の業績や社会情勢、市場動向などの要因で上下するため、株式投資をする際は、こうした変動要因を把握し、どの企業にどれだけ投資するか判断する必要があります。

    債券

    債券は、国や地方公共団体、企業などがお金を借りるときに発行する証書のことです。国が発行する債券は「国債」、企業が発行する債券は「社債」と呼ばれます。

    債券は証券会社や銀行、郵便局などで購入でき、1年、5年、10年など債券ごとに償還日が決まっています。債券の発行元は、投資家に対して利子を支払い、償還日になると元本を返します。そのため、購入後は基本的に償還日を待つだけで、定期的に利子を受け取り、リターンを得ることができるというわけです。

    ただし、債券の発行元が償還日を迎える前に経営破綻してしまった場合、元本や利息の支払いが滞る、最悪の場合は元本が返ってこないことがあります。したがって、償還日まで発行元が経営破綻する可能性がないか、財務体質などしっかり確認した上で投資することが必要です。

    投資信託

    投資信託は、投資家から集めた資金を資産運用のプロ(=ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資し、運用する金融商品のことです。その運用成果は、投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっています。

    投資信託は、元本保証されているものではありません。投資信託の運用成績は、組み入れている株式や債券などの価格が上がれば、運用資産が増えることになり、投資信託の価格である基準価額が上昇します。

    投資家から集めた資金をどのような対象に投資するか、分配方針はどうなっているかは、投資信託ごとの運用方針に基づき決まっています。自分の投資意向と合った商品を選択するようにしましょう。

    10万円で始められる資産運用

    10万円で始められる資産運用には、どのような商品があるのでしょうか。
    結論として、先ほど解説した4つの基本的な金融商品はいずれも10万円あれば投資をすることが可能です。

    預貯金であれば1円から預けることが可能ですし、投資信託は1,000円や1万円もあれば購入できるものも多くなっています。

    注意点として、株式は銘柄によっては最低投資金額が10万円を超えることがありますので、全ての銘柄が10万円から買えるわけではありません。また、債券についても、国債であれば10万円から購入することも可能ですが、一般的な債券の多くは、最低購入金額が100万円からとなっています。

    また、10万円で始められる資産運用を行う際には、運用益が非課税となるNISAを活用するのも1つの方法です。

    NISA(ニーサ)

    NISAとは、少額投資非課税制度のことで、投資で得た利益にかかる税金を非課税にできる個人投資家のための税制優遇制度の1つです。NISAの特徴は以下のとおりです。

    つみたて投資枠 成長投資枠
    制度の併用 可能
    年間投資枠 120万円 240万円
    非課税保有限度額 1,800万円(うち、成長投資枠1,200万円)
    非課税保有期間 無期限
    対象年齢 18歳以上の成人
    買付方法 積立 一括・積立
    投資対象商品 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 上場株式・投資信託等
    スクロールできます

    出所:金融庁ホームページをもとに東海東京証券作成

    NISA口座は、1人につき1つしか開設できませんが、10万円を一括投資する方法だけではなく、月に1,000円ずつなど少額で積立投資を行うこともできます。

    NISAのポイントを押さえて投資を始めたい方は、メリット・デメリットをわかりやすくまとめたこちらの記事をご覧ください。

    【初心者向け】NISAってなに?メリットやデメリット、始め方などを紹介

    資産運用で知っておきたいポイント

    資産運用を行う際に知っておきたい主なポイントは以下のとおりです。

    長期投資を意識する 投資先を分散する 一括投資だけではなく積立投資も検討する 投資のリスクを理解する 余剰資金の範囲で投資する 過剰な儲け話に注意する

    それぞれについて解説します。

    長期投資を意識する

    基本的に投資は長期運用が適しているとされています。長期投資したからといって必ずしも利益が得られるとは限りませんが、○○ショックと呼ばれるような暴落が起こったとしても、長期的な視点で見てみると上がっていることも過去にはありますので、短期的な変動に一喜一憂せず長期投資を意識するとよいでしょう。

    投資先を分散する

    投資先を異なる資産や異なる値動きをする銘柄などへ分散させることでリスクを小さくできる可能性が高まります。分散投資の場合、複数の銘柄同士で値動きの変動を和らげ、資産全体の変動を小さくすることが期待できるためです。

    投資資金が10万円の場合、複数の銘柄や金融商品に分散するのは難しいと思われるかもしれませんが、投資信託なら少額でも分散投資できるという特徴を持っていますので、検討してみるのもよいでしょう。

    一括投資だけではなく積立投資も検討する

    一括投資は、価格が下がっているタイミングで購入し、その後、価格が上昇していけばよいですが、必ずしも理想的な状況になるとは限りません。

    そこで、積立投資を活用し定期的に購入することで、取得単価の平準化を図り価格変動リスクを低減させることも可能です。一度に購入できる最低金額は銀行や証券会社などの金融機関によって異なりますが、毎月1,000円程度からでも積立可能なので検討するのもよいでしょう。

    投資のリスクを理解する

    投資にはリターンだけではなくリスクもあることに留意してください。例えば、投資先の企業が倒産したら、保有している株式の価値がなくなり、投資した資金を失ってしまうことになります。

    基本的に、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンと、リスクとリターンは比例関係になっているとされています。

    余剰資金の範囲で投資する

    順調に資産運用できていると、「もっと多くのお金を投資して利益を得たい」と思うかもしれません。しかし、投資はあくまでも余剰資金の範囲で行うことを忘れないでください。資産運用に絶対はありませんので、投資したお金を失ってしまったとしても問題ないように資産管理をしましょう。

    過剰な儲け話に注意する

    資産運用に関しては、過剰な儲け話に注意することも大切です。例えば、「年利○%確実にもらえる」、「〇億円稼ぐ投資手法を教えます」といった、興味を引くような話を聞いたことがあるかもしれません。

    しかし、このような話は詐欺である可能性が高いといえます。

    基本的に、投資のリターンは不確実なものです。確実に儲かるような表現を使っている場合には、その話を疑う必要があります。また、偽造したデータを作成し、あたかも運用成果が出たように見せかけている場合もあります。

    そのようなことも含めて考えると、信憑性の高い情報を発信している金融機関や金融庁などの情報を頼りにするとよいでしょう。

    まとめ

    この記事では、資産運用を行う際に知っておきたい金融商品や資産運用の制度、知っておきたいポイントについて解説しました。

    投資資金10万円でも、資産運用の選択肢は広く、NISAを活用することもできます。10万円しかないから資産運用はできないとは思わず、まずは一歩を踏み出し資産運用デビューしてみましょう!


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