
【役者からFPに転身】井上ヨウスケさんに聞きたい、人生設計に本当に必要なお金の話
- #NISAトーク
- #インタビュー
- #お金の悩み
- #ファイナンシャルプランナー


投資系インフルエンサーの方をお呼びして、フラットな立場で資産運用やNISAの活用方法について聞く「NISAトーク」。
今回は、登録者数13万人超、役者時代を経て、現在は独立系ファイナンシャルプランナーとして初心者の方にも分かりやすい情報を発信されている「元役者FP 井上ヨウスケ」さんへのインタビューです!
元役者のファイナンシャルプランナー。役者時代に培った”話すスキル”を活かし、講演を中心に活動。講演回数は150回以上。数字だけにとらわれがちなお金の話に”人間らしさ”を加えて、「お金に使われず、お金とどう付き合っていくのか?」を中心に発信。登録者数13万人超、総再生回数1,300万回超のチャンネル「井上ヨウスケ / 井上FP事務所」を運営している。(2024年6月14日時点)
役者からFP、そして投資の世界へ
── 役者になられた背景と、引退されFP活動を始めた経緯を教えてください。
井上ヨウスケ:もともと役者になりたいと思っていたわけではありませんでした。高校卒業後4年間くらい工場で働いていた時に、「このまま人生終わっちゃうのかな?」と思い、何かにチャレンジしたいと考えた結果、華々しい芸能界に憧れて役者を目指しました。ところが、役者になって3,4年経過したころ、自分がそこまでお芝居が好きじゃないな、仕事として向いていないなと感じ、28歳で区切りをつけようと考え辞めました。
── 役者からFPを志したきっかけを教えてください。
井上ヨウスケ:役者を辞めた後、就職しようにもなかなか就職できず、妻(当時の彼女)に「資格でもとってみたら」と勧められ、職業訓練校に通うようになりました。いろんな資格がありましたが、役者時代にお金で苦労したこともあり、金融に関する資格に興味をもっていたことと、独立すれば年収1,000万円も夢じゃないみたいなことが書かれていて、「あ、これだ。」という気持ちでFPを目指そうと思いました(笑)。
── 投資を始めたきっかけと、初めて買った商品を教えてください。
井上ヨウスケ:2014年ごろに投資を始めました。FPの資格を取得したものの、金融に関する知識が全くなかったので、勉強の一環として投資を始めてみようと思い、日経平均に連動するインデックスファンドに1万円投資してみたのが始まりです。
ただ始めてすぐにチャイナショックがあり、「あぁ、怖い。」となってやめてしまいました(笑)。むしろ、その経験があったからこそ色々勉強するようになりました。
── 現在のポートフォリオを教えてください。
井上ヨウスケ:直近5~10年の間に使いそうな資金は現金で置いてあります。投資という面では、老後用資産として置いてある全世界株式に投資するインデックスファンドと、一部は不動産のクラウドファンディングを使って短期での運用を織り交ぜています。自分のライフステージに合わせた資産運用というのを心掛けています。
手元で使えるお金があることで行動の選択肢を広げると思っており、投資をしすぎて今のゆとりがないというのは避けたいので、そういう意味で5~10年の人生を確保しながら資産配分を変化させています。

FPに聞きたい投資の疑問
── よく聞かれる質問ベスト3を教えてください。
井上ヨウスケ:1番多い質問は全世界株式か全米株式どちらを買った方が良いですか?じゃないでしょうか(笑)。これについては、全世界株式とお答えしています。歴史的に見て、ずっと同じ国が栄えることはないですし、ドルがずっと強いままなのかという疑問もあると思います。
自分の知識や選択に自信がないのであれば、全世界株式のインデックスファンドに投資しておけば、世界情勢の変化にある程度対応できると考えています。
2番目は、一括で投資するべきか分割で投資するべきかという質問になります。この質問にも正解はないと思っていて、投資のスタンス次第かと。1円でも増やしたい方は、確率的には一括で投資をしたほうが結果につながると考えています。
一方で、相場の変動を気にしたくない方や買い時を悩みたくない方は、分割をおすすめしています。一括ですと、買い時を探ってしまいなかなかエントリーできないことがあります。分割でしたら、どのタイミングでもエントリーできますし、ドル・コスト平均法に基づき結果的に損をしにくいと思います。
3番目に多い質問は、iDeCoかNISAのどちらをするべきかという質問だと思います。これについての回答はとりあえず投資を始めてみたい方や若い方はNISAをおすすめしています。
反対に60歳まで資金拘束されてもよい方や、40代を過ぎそろそろ老後資金をしっかり準備したいと思っている方、そして所得控除のメリットをしっかり享受できる方はiDeCo向きとお答えしています。
── NISAとiDeCoのポイントは何だと思いますか。
井上ヨウスケ:NISAは手軽に始めることができ、運用益が非課税になるというシンプルな制度です。一方で、iDeCoは一度始めると積み立てをストップすることはできても60歳まではお金を引き出すことができない制約があります。
ですが、NISAにはない所得控除のメリットが大きく、この辺をしっかりと考えることができる方であれば、iDeCoの方が税制優遇された制度であることは間違いありませんので、NISAかiDeCoという2択で考えるのではなく、どちらも上手に活用していく方が良いと考えています。

人生のターニングポイント
── 井上さんが思う人生のターニングポイントについて、教えてください。
井上ヨウスケ:YouTubeでチャンネル登録者数が10万人を超えたあたりだと思います。
いわゆる燃え尽き症候群のような状態になり、その辺から自分は人生を通してどのようなことを成し遂げたいのかなどをよく考えるようになりました。
── これからの人生設計や今後の夢について教えてください。
井上ヨウスケ:ファイナンシャルプランナーという職業ではありますが、いわゆるたくさん稼いで純資産を増やしていくということにはそれほど興味がなく、むしろどこまで小さく生きていけるのかということに関心があります。来年には現在よりもっと人が少ないエリアに移り住み、現在も行っている畑をさらに本格的にしながら生活していく予定です。
今後の夢については、 お金を増やすことで、お金の悩みを解決するという面とは逆側から、なぜ人はこれほどまでに欲深いのかなどを追求して、それらを書籍などの一つの形にして出版したいと思っています。
── お金の悩みは尽きないものですが、どうやって向き合っていくべきでしょうか。
井上ヨウスケ:人間の不安や欲望をなくすことはできませんので、あまり他人ばかりを見ず、内省して、自分の人生で本当に叶えたいことや人生かけて取り組みたいことについて考えることが、結果的にお金の悩みを減らすのではないかと思っています。

これから投資を始める方へ
── これから投資を始める方にお勧めしたい投資商品、投資手法はありますか。
井上ヨウスケ:新NISAの投資枠がかなり大きくなったため、無理に投資枠を埋めようと考えず、可能な範囲で投資をしていけばよいと思います。
一般的な所得の方であれば、新NISAのつみたて投資枠で十分にニーズは満たせると思いますので、つみたて投資枠で選択可能な全世界株式に投資できる投資信託を積み立てていけばよいと思います。
とは言え、株式中心の投資信託はリーマンショックのような暴落が発生すると、1年間で50%程度下落する可能性があるため、投資できる金額全てを投資せず、リスク許容度に合わせて現金や債券も保有することが大切だと思います。
── マーケットが下落したりして、運用成果がうまくいかないときに、メンタルを保つコツはありますか。
井上ヨウスケ:マーケットの調子が良い時にマーケットが悪くなることを想定して準備しておくことが大切だと思っています。
マーケットの調子が良い時は、「現金で置いておくのはもったいない」とよく言われますが、マーケットが下落すると現金のありがたみを感じるものだと思います。下落に備えて現金を多めに残しておく、もしくは自分のリスク許容度以上にリスクをとって株式を多く保有しないなど、事前に備えておくことがコツの8割だと思います。
マインド的には長期投資を前提でやっているのであれば、途中で売却する選択肢は当初から考えていないということですので、ニュースなどを見ないようにするのも一つの手かなと思います。
── 井上さんの新NISAの使い方について教えて下さい。
井上ヨウスケ:基本的には、つみたて投資枠を中心に使っていく予定です。とは言え、必要以上に将来のお金を残しても仕方がないと思っているので、今使ってもよいお金に関しては現金で保有するか、成長投資枠でつみたて投資枠と同じ銘柄を買う、もしくは配当銘柄への投資も良いかなと考えています。
── 最後にこれから投資を始める方にメッセージをお願いします。
井上ヨウスケ:勉強をしっかりしてから投資するのも大切だと思いますが、少額から投資ができる時代ですので、ある程度勉強ができたらまずは1万円程度の怖くない金額から投資をして、実践と学習を並列で行うことをおすすめします。


※クリックすると東海東京証券のWEBサイトに移動します。
はじめてNISAをご利用されるお客様は、証券総合取引口座とNISA口座をまとめて開設できます。