Trendレポート
2024.10.31

【NISAでみんなは何を買っている?】2024年上期の利用状況と個別銘柄の特徴とは?【編集長のTrendレポート】

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文/NISAセンター 松本智則
目次

    最新動向をお届け!編集長のTrendレポート

    “編集長のTrendレポート”では、NISAを始める方の「今知りたい」「もっと知りたい」「ちゃんと知りたい」 にお応えする情報をお届け!NISAの利用状況や投資に関する最新動向について、編集長がわかりやすく解説します。

    2024年9月17日に、金融庁が「NISA口座の利用状況に関する調査結果について」の最新データを公表しました。

    こちらのデータから、2024年上期におけるNISAの利用状況が詳しくわかりましたので、前回レポート【新NISAで投資デビューは○○人?】利用状況からわかったみんなの平均買付額【編集長のTrendレポート】をアップデートする形で記事にまとめました。

    今回は、NISA口座開設数の遷移や投資金額と合わせて、NISA口座開設数とiDeCo加入者との比較や、2024年上期に成長投資枠でどんな個別株が買われているのか具体的に解説します。

    すでにNISA口座で投資をしている方はもちろん、これから始めようと考えている方も、他の方の利用状況を知ることで参考になる部分もあるかと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

    それでは早速見ていきましょう。

    NISA口座数はiDeCo加入者の○○倍?

    始めに、NISA口座の開設状況です。2023年12月末時点のNISA口座数は、一般NISAとつみたてNISAを合わせて、約2,124万口座となっています。
    そこから半年後の2024年6月末時点では、NISA口座数は約2,427万口座となっており半年間で約300万口座増えていることがわかります。

    2023年12月末時点 2024年3月末時点 2024年6月末時点
    2124万7420口座
    (一般NISA+つみたてNISA)
    2322万7848口座 2427万6789口座

    出所:[NISA口座の利用状況調査(令和6年6月末時点)|金融庁]を基に東海東京証券作成

    2024年3月末時点までの増え方と比較すると、口座開設数の伸びは減りましたが、4月~6月の3か月間で約100万人口座開設している点を踏まえれば、新NISAを利用して投資を始めてみようと、資産形成の一歩を踏み出した方が増えていることがうかがえます。

    ちなみに、NISAとよく比較される資産運用として、iDeCoの活用があげられますが、iDeCoの加入者は2024年6月末時点で約337万人となっています。

    2023年3月末 2024年3月末 2024年6月末
    新規加入者 56万8843人 45万2202人 10万7403人
    合計加入者 289万9618人 328万4971人 337万1757人

    出所:iDeCo公式サイト「加入者数について(令和6年7月時点)」

    2024年6月末時点のNISA口座開設数とiDeCo加入者を比べれば、NISA口座開設数が約7倍多い計算になります。

    それぞれ制度の特徴が違うため単純比較はできませんが、資産形成においてNISAを利用している方のほうが多いといえるでしょう。

    NISAとiDeCo、どちらの制度が自分に適しているか気になる方は、元役者FPの井上さんに登壇いただいた以下セミナー動画を参考にしてみてください!

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    年代別で見るNISA口座の開設数

    次に、NISA口座の開設数を年代別に分けるとどうなるか見ていきましょう。

    年代 口座数 2024年3月末
    時点からの増加率
    10歳代 13万6470口座 2.1%
    20歳代 275万2320口座 6.9%
    30歳代 424万9508口座 4.3%
    40歳代 468万0771口座 4.4%
    50歳代 461万3256口座 5.4%
    60歳代 357万5573口座 4.4%
    70歳代 279万6221口座 2.3%
    80歳代以上 147万2400口座 3.6%
    総数 2427万6789口座 4.5%

    出所:[NISA口座の利用状況調査(令和6年6月末時点)|金融庁]を基に東海東京証券作成

    こちらの表は10歳代、20歳代から始まって80歳代以上まで、各年代を8つに分けたものです。最も口座開設数が多いのは40歳代で約468万口座となっており、続けて50歳代が約461万口座、30歳代が約424万口座となっています。

    また、2024年3月末時点からの増加率を見ると、20歳代が6.9%と最も高くなっています。若いうちから、NISAを活用して資産形成を始めてみようという方が増えてきたのかもしれません。

    なお、上述の口座数はNISA口座開設数であるため、NISA口座を開設しているものの利用していない口座数が含まれている点は注意が必要です。

    投資枠の利用状況は?引き続き現役世代の利用が活発

    NISA口座開設数がわかったところで、次に投資枠の使い方を見ていきましょう。

    出所:[NISA口座の利用状況調査(令和6年6月末時点)|金融庁]を基に東海東京証券作成

    新NISAにおける買付額の合計は、6月末時点で約10兆円まで拡大しました。内訳は、成長投資枠で約7.9兆円、つみたて投資枠で約2.2兆円の買付があることがわかります。
    成長投資枠の買付額が多くなっている背景は、年間240万円まで非課税で投資できること、一括・積立どちらも利用できることで、まとまった金額で投資をしている方が多いためと思われます。

    それぞれの投資枠の買付金額を、年代別に分けてみたのが次の表です。

    年代 新NISA    
    成長投資枠 つみたて投資枠
    10歳代 220億円 173億円 47億円
    20歳代 6282億円 3660億円 2622億円
    30歳代 1兆6618億円 1兆1068億円 5549億円
    40歳代 2兆0397億円 1兆4809億円 5588億円
    50歳代 2兆1130億円 1兆6376億円 4753億円
    60歳代 1兆8971億円 1兆6318億円 2653億円
    70歳代 1兆3298億円 1兆2460億円 838億円
    80歳代以上 4422億円 4296億円 125億円
    合計 10兆1341億円 7兆9163億円 2兆2178億円

    出所:[NISA口座の利用状況調査(令和6年6月末時点)|金融庁]を基に東海東京証券作成
    ※買付時の時価で算出。1億円未満切り捨て

    金融庁の調査によると、40歳代、50歳代が共に2兆円を超える買付額となっていることがうかがえます。また、つみたて投資枠に着目すると、20歳代~60歳代まで、現役世代を中心に広く制度を利用していることがわかります。

    2024年上期、成長投資枠で買われている個別株とは

    成長投資枠の利用が多いことがわかったところで、どんな個別銘柄が買われているのか見ていきましょう。NISAで人気の個別株を、2つの視点からまとめた表がこちらです。

    ※2024年6月末時点、単位は百万円
    出所:QUICK「ネット証券月次NISA口座株式買付金額・預り資産額上位10銘柄」を基に東海東京証券作成

    左側は6月単月の買付上位10銘柄を、右側は6月末時点の預り資産額合計の多い上位10銘柄を示しています。

    国内株式では、時価総額が大きく、高配当株や株主優待に着目した銘柄に資金が流入しており、金融やインフラなど景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄も多く買われています。また、外国株式では米国半導体企業のエヌビディアが上位に入っています。

    ランキングを見て、皆さんも一度は見たことがある銘柄が多いのではないでしょうか。銘柄の詳細や今後の見通しなど、もう少し詳しく知りたいという方は、ぜひNISAセンター相談窓口までお問い合わせください。

    まとめ

    新NISAが始まってからの6か月間で、NISA口座は約300万口座増えており、10兆円を超える金額が買付されていることがわかりました。
    また前回のレポートから見て、20歳代の利用率の伸び幅が大きく、新NISAの浸透とともに若いうちから時間を味方につけて投資を始めてみようとはじめの一歩を踏み出した方が増えたといえるでしょう。

    新NISAでは非課税保有期間が無期限となり、18歳以上であればいつでも始めやすくなりました。すでにNISAを利用している方も、これから始めようと考えている方も、ご自身のライフプランに合わせてうまく制度を活用してみてください。

    また、NISAや投資に関して、少しでも疑問や不安に感じることがあれば、ぜひNISAセンターまでご相談ください。


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