
新NISA1年目をおさらい!年収や年齢別の平均購入金額とは?【編集長のTrendレポート】
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2024年の新NISA元年は、日経平均が過去最高値を更新したかと思えば、ブラックマンデー以来の大きな下落相場を経験するなど歴史的な出来事が重なり、昨年から運用を始めた方も、新NISA開始以前から運用していた方も、記憶に残る1年になったのではないでしょうか。
今回は、そんな2024年について、金融庁や日本証券業協会が公表した調査結果を基に、NISAの利用状況や購入された銘柄タイプについて解説します。また、NISAで人気の投資信託についてランキング形式で紹介します。
既にNISA口座で投資をしている方はもちろん、これから始めようと考えている方も、商品選びの参考になるかと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは早速見ていきましょう。
2024年NISAをスタートした人は○○人
金融庁が公表した速報データによると、2024年12月末には、全金融機関を通じて累計で2,560万件のNISA口座が開設されました。このうち、436万口座が2024年に開設されており、新NISA開始とともにNISAで投資を始めようという方が多かったことがうかがえます。

※出所:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」より東海東京証券作成
また、年間買付額については、成長投資枠で12.4兆円、つみたて投資枠で4.9兆円、合わせて17.4兆円となりました。四半期ごとの推移を一覧表にしてみると、右肩上がりに買付額が増加していることが確認できます。
2024年3月末 | 2024年6月末 | 2024年9月末 | 2024年12月末 | |
---|---|---|---|---|
成長投資枠 | 5兆1135億円 | 7兆9163億円 | 10兆2348億円 | 12兆4627億円 |
つみたて投資枠 | 1兆435億円 | 2兆2178億円 | 3兆5467億円 | 4兆9857億円 |
NISA全体 | 6兆1791億円 | 10兆1341億円 | 13兆5467億円 | 17兆4485億円 |
※端数の関係で合計が合わない場合があります。
新NISA 気になる年代別・年収別の利用動向は?
新NISAを始めた方や買付額の全体像が見えてきたところで、自分と同じように新NISAを始めた方がどのように活用しているか、詳しく知りたいという方もいらっしゃると思います。
そこで、日本証券業協会が公表した「新NISA開始1年後の利用動向に関する調査結果(速報版)」を基に、注目すべきポイントを確認していきましょう。
まず、NISA口座での平均購入金額を見ていきます。日本証券業協会によると、アンケートを取った方全体の平均購入金額は、つみたて投資枠では47.3万円、成長投資枠では103.3万円と公表されています。
しかし、このデータを年代別、年収別に並べてみると、違った印象を持てると思います。まずは、つみたて投資枠を細かく見ていきましょう。
つみたて投資枠(利用者数・購入金額)

こちらのデータによると、年齢が上がるほど非課税投資枠上限まで購入している割合が高くなり、60代男性では平均60.1万円つみたて投資枠を利用していることがわかります。また、性別にかかわらず、40代までの年齢層の半数以上は、購入金額が平均40万円未満となっています。
さらに、年収別に見ると、年収300万円未満の利用者が最も多く、年収が高くなるほど、非課税投資枠上限まで購入している割合が高くなりますが、幅広い年収帯でNISAを利用していることがわかります。
続いて、成長投資枠についても詳しく見ていきましょう。
成長投資枠(利用者数・購入金額)

成長投資枠においても、年齢や年収が上がるにつれて、平均購入金額が高くなる傾向がみてとれます。また、年収が低くても、非課税投資枠上限近くまで購入している割合が一定数見られます。これは、給与所得だけでなく、預貯金や保有していた商品を売却した資金を購入資金に充てている可能性が挙げられます。
NISAの2つの投資枠について利用データを見ましたが、こうした平均値を知り、SNSなどの誤った情報に惑わされないようにしましょう。
2024年中に新NISAで購入された銘柄タイプ
次に、新NISAで購入された銘柄タイプについて、見ていきたいと思います。前述の日本証券業協会が公表したデータを基に、成長投資枠、つみたて投資枠で購入されている銘柄タイプは以下の図のようになります。

成長投資枠では、国内株式が48.8%で最も高く、次いで投資信託インデックス型が24.6%となっています。インデックス型の投資信託の割合が高い背景としては、つみたて投資枠で投資しているインデックス型の投資信託を、成長投資枠でも購入している方が多いといった理由が考えられます。

また、つみたて投資枠では、投資信託インデックス型が65.5%と大半を占めていることがわかります。なお、その他投資信託の中には、インデックス型、アクティブ型か判断がつかない場合の回答数も含まれていますので、インデックス型、アクティブ型の割合はそれぞれもう少し大きい可能性もあります。
投資信託のランキングを見てみよう
NISAでは、株式よりも投資信託のほうが、若干購入金額が多いことが分かりました。色々な銘柄を聞くけれど、どんな商品に資金が集まっているか参考にしたい方もいらっしゃるかと思いますので、最後に投資信託の純資産総額と資金流入額について、ランキングを紹介したいと思います。
まずは、2024年12月末時点の投資信託純資産総額ランキングを見てみましょう。
2024年12月末純資産総額
順位 | ファンド名 | 運用会社 (略称) |
純資産総額 (億円) |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 三菱UFJ | 65,154 |
2 | eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) | 三菱UFJ | 50,994 |
3 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型 (為替ヘッジなし)予想分配金提示型 |
アライアンス | 33,995 |
4 | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | SBI | 20,485 |
5 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 楽天 | 18,536 |
6 | インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型) | インベスコ | 17,732 |
7 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし) | アライアンス | 16,596 |
8 | netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし) | ゴールドマン | 12,885 |
9 | グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) | アセマネOne | 11,300 |
10 | 野村外国株式インデックスファンド・MSCI・KOKUSAI(確定拠出年金向け) | 野村 | 9,313 |
※出所:QUICKを基に東海東京証券作成
純資産総額の上位を見てみると、全世界株式や米国株式など、株式型の投資信託が占めていることがわかります。中には、テクノロジーやESGなど、テーマ型の投資信託もあり、インデックス型とアクティブ型双方がランクインしています。
純資産総額が大きいということは、多くの投資家から資金を集めている人気のファンドと言えます。eMAXIS Slimシリーズをはじめ、ランキング上位の銘柄はNISAで投資できる商品も多く、皆さんの中にも投資をしている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
また、純資産総額のほかに、資産流入という見方も重要です。そこで、資産流入ランキングについても見ていきたいと思います。こちらは2025年1月のデータが公表されていますので、最新の状況を把握しておいたほうが役に立つかもしれません。
2025年1月・資金流入上位10銘柄
順位 | ファンド名 | 運用会社 (略称) |
資金流入額 (億円) |
純資産総額 (億円) |
---|---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 三菱UFJ | 4,050 | 68,779 |
2 | eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) | 三菱UFJ | 3,758 | 54,814 |
3 | iFreeNEXT FANG+インデックス | 大和 | 1,096 | 5,222 |
4 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型 (為替ヘッジなし)予想分配金提示型 |
アライアンス | 1,054 | 34,460 |
5 | 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド | 楽天 | 599 | 4,708 |
6 | 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型) | インベスコ | 545 | 18,185 |
7 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし) | アライアンス | 406 | 16,991 |
8 | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | SBI | 392 | 20,730 |
9 | 東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし) | 東京海上 | 342 | 918 |
10 | フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド Dコース (毎月決算・予想配当金提示型・為替ヘッジなし) |
フィデリティ | 341 | 1,793 |
※出所:QUICKを基に東海東京証券作成
eMAXIS Slimシリーズの2商品の他、2024年の純資産総額でランキングに上がっていた銘柄が1月の資金流入額でも上位となったほか、iFreeNEXT FANG+インデックスのように、新しい銘柄も資金流入上位にランクインしています。
全ての銘柄がNISA対象商品ではありませんが、NISA対象商品が上位を占めているということから、おそらくNISAを活用して購入している方が多いのではないでしょうか。
まとめ
2024年は、NISA口座数が436万口座増加し、合計17兆円を超える資金がNISA口座で買付されました。また、年代別や年収別の平均購入金額も公表され、新NISA1年目の実態がつまびらかに見えてきたと思います。
SNSを中心に、NISAに関するさまざまな情報が発信されていますが、中にはデータの信ぴょう性が低い発信もあると思います。利用状況などのデータについては、今回紹介したような信頼できる機関の情報を参考にしつつ、一つの目安としてとらえていきましょう。
NISAに関して、投資に関して少しでも疑問や不安に感じることがあれば、ぜひNISAセンターまでご相談ください。




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