新しいNISA制度
2024.06.26

新NISAの成長投資枠の対象銘柄とは?つみたて投資枠との違いや購入可能商品のポイントを解説

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文/NISAセンター 松本智則
目次

    2024年から始まった新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠の2種類の非課税投資枠があります。

    「つみたて投資枠と成長投資枠の違いがわからない」「成長投資枠では何を購入すればいいか迷う」といった疑問を抱え、なかなか投資に踏み出せない方は多いのではないでしょうか。

    今回は成長投資枠について、つみたて投資枠との違いや購入可能な商品、活用方法を解説します。

    新NISAの成長投資枠とは?

    成長投資枠とは、2024年から始まった新NISAの非課税投資枠の1つです。
    ここでは新NISAの成長投資枠について、以下の観点から解説します。

    旧NISAと新NISAの違い 新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の違い

    それぞれ詳しくみていきましょう。

    旧NISAと新NISAの違い

    旧NISAと新NISAの大きな違いは、制度の恒久化と年間投資枠の拡大です。
    旧NISAと新NISAを比較した表は以下のとおりです。

    項目 旧NISA 新NISA
    一般NISA つみたてNISA 成長投資枠 つみたて投資枠
    制度の併用 不可 可能
    年間投資枠 120万円 40万円 240万円 120万円
    非課税保有限度額 600万円 800万円 1,800万円
    ※売却すると投資枠は翌年以降に再利用可能
    (1,800万円のうち
    成長投資枠は1,200万円まで)
    非課税保有期間 5年間 20年間 無期限
    制度実施期間 ~2023年末 2024年1月~(恒久化)
    対象年齢 18歳以上の成人 18歳以上の成人
    購入方法 一括・積立 積立 一括・積立 積立
    対象商品 上場株式・投資信託等 金融庁の基準を満たした投資信託に限定 上場株式・投資信託等 金融庁の基準を満たした投資信託に限定

    新NISAにおける成長投資枠は、旧NISAの一般NISAに代わる投資枠と考えることができます。
    成長投資枠で年間投資できる金額や非課税保有限度額は、それぞれ一般NISAと比べて2倍に増えています。

    一般NISA 成長投資枠
    年間投資枠 120万円 240万円
    非課税保有限度額 600万円 1,200万円

    さらに新NISAと旧NISAの違いは、NISA口座で取り扱う投資商品の非課税保有期間が無期限となったことです。

    例えば、従来の一般NISAでは非課税保有期間が5年と短く、5年を過ぎると課税対象となってしまい、売却/ロールオーバー/課税口座で継続保有のいずれかを選択しなければなりませんでした。新NISAでは非課税保有期間が無期限なので長期的に運用することが可能となり、ロールオーバーや課税口座での継続保有を考える必要がなく、自分の好きなタイミングで売却することが可能です。

    新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の違い

    つみたて投資枠と成長投資枠の違いは以下の4つです。

    年間投資枠 非課税保有限度額 投資対象商品 購入方法

    それぞれの違いをまとめました。

    成長投資枠 つみたて投資枠
    年間投資枠 240万円 120万円
    非課税保有限度額 1,800万円(成長投資枠の限度額は1,200万円)
    投資対象商品 上場株式・投資信託等
    (一部除外あり)
    長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託
    購入方法 一括、積立 積立

    年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円と、成長投資枠の方が多くなっています。

    非課税保有限度額はつみたて投資枠が1,800万円、成長投資枠は1,200万円です。
    ただし、この金額はどちらか一方の投資枠だけで見た場合です。
    つみたて投資枠と成長投資枠を併用している場合は、合計で1,800万円までが非課税保有限度額となるため、注意しましょう。

    また、投資対象商品や購入方法の違いも、幅広い投資商品で運用をしたい方には気になるポイントです。

    つみたて投資枠で購入できる投資商品は、金融庁に届け出された一定の条件を満たしている投資信託に限られており、買付方法は積立のみとなります。
    一方で、成長投資枠は投資信託に加えて、上場株式にも投資することが可能です。さらに、一括投資と積立投資両方を選択できます。

    成長投資枠は、つみたて投資枠と比べてより多くの対象商品から投資先を選ぶことができる点も魅力といえるでしょう。

    新NISAの成長投資枠で購入できる商品

    成長投資枠で購入できる主な商品は以下のとおりです。

    投資信託 上場株式 ETF(上場投資信託) REIT(不動産投資信託)

    成長投資枠では上場株式も購入できることがポイントですが、数ある銘柄からどれを選んだらよいか迷う方もいるかも知れません。
    東海東京証券ではNISA厳選テーマと個別銘柄例を定期的に情報発信しています。個別株の銘柄選びの参考に、ぜひチェックしてみてください。

    NISAで株式投資2024年注目のテーマとストックピック銘柄例 | 東海東京証券

    上場株式は、テーマごとにさまざまな銘柄があり、値上がり期待以外にも株主還元や株主優待などを踏まえて選ぶのもおすすめです。

    成長投資枠はつみたて投資枠に比べ、より幅広い商品から投資先を選定できるため、自分に合った投資先を選んでみるとよいでしょう。

    成長投資枠で購入できない商品

    成長投資枠は多くの商品から投資先を選ぶことが可能ですが、一部除外商品があります。
    成長投資枠で購入できない商品は主に以下の4種類です。

    整理銘柄や監理銘柄 信託期間20年未満の投資信託等 毎月分配型の投資信託等 デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等

    整理銘柄とは、証券取引所が定めている上場廃止基準に該当し、上場廃止が決定している銘柄で、管理銘柄は上場維持基準を満たさなくなるなど、上場廃止基準に該当する恐れがある銘柄のことです。

    また、信託期間20年未満の投資信託や毎月分配型の投資信託は、長期の資産形成を目指す上で相性が良くないと考えられ、成長投資枠の対象商品から除外されています。

    デリバティブとは株式や債券、通貨の交換レート、金利、商品などの価値に応じて値段が決まる金融商品を指し、具体的には先物取引やオプション取引が該当します。
    デリバティブ取引を用いた投資商品は、値動きが激しい特徴があるため、新NISAには不向きとされています。

    成長投資枠の活用タイミング

    新NISAの成長投資枠の活用タイミングは以下の3つです。

    つみたて投資枠の年間投資枠を超えて投資したいとき つみたて投資枠で買えない商品を購入したいとき まとまった資金を一括で投資したいとき

    それぞれ解説します。

    つみたて投資枠の年間投資枠を超えて投資したいとき

    つみたて投資枠の年間投資枠は120万円です。毎月定額で積み立てるとしたら月10万円の金額設定で上限に達します。

    資金に余裕がある場合には、つみたて投資枠で購入できる商品は成長投資枠で購入することも可能ですので、同じ商品を成長投資枠で積み立てることが可能です。
    つみたて投資枠で購入している商品を月15万円ずつ積み立てたい場合は5万円を成長投資枠で積立購入しましょう。

    ただし、注意が必要です。

    成長投資枠の年間投資枠は240万円です。つみたて投資枠と成長投資枠を最大限使って、毎月一定金額積み立てる場合には、つみたて投資枠で月10万円、成長投資枠で月20万円、合計月30万円までの金額設定となります。

    年間投資枠の上限を超えた分は課税口座で買い付けてしまうので注意が必要です。

    また、つみたて投資枠の商品を成長投資枠として購入することはできますが、成長投資枠の商品は必ずしもつみたて投資枠で購入できるとは限りません。

    つみたて投資枠の商品を成長投資枠で購入する:可能 成長投資枠の商品をつみたて投資枠で購入する:すべての商品が購入できるわけではない

    つみたて投資枠で投資したい商品があるけれど、年間投資枠の120万円以上投資をしたい方は成長投資枠を利用してみてください。

    つみたて投資枠で買えない商品を購入したいとき

    つみたて投資枠では購入できない個別株に投資したい方は、成長投資枠を活用しましょう。
    成長投資枠では非課税制度を活用し上場株式に投資できます。
    また、国内株式だけでなく、外国株式の投資にもNISA口座を活用することができ、配当金や分配金、値上がり益が非課税対象※となります。
    ※外国株式の場合、現地課税分は非課税とはなりません

    例えば、配当金が高い高配当株や成長性が見込める個別株に投資することで、配当金や値上がり益を非課税で得られるメリットが生まれ、つみたて投資枠とは違った恩恵を受けられるでしょう。

    ただし、高配当株など個別株の選定は、企業が成長し続けている、財務が健全であるなどの観点から優良企業であるか見極めが必要です。
    優良企業を見つけるには、日々の投資に関する知識の積上や、専門家による分析を基にした判断が必須です。

    東海東京証券では、銘柄情報や投資の勉強に関する動画も発信しているのでぜひ活用してみてください。

    証券投資情報を動画で配信|東海東京TV

    まとまった資金を一括で投資したいとき

    まとまった資金を一括で投資したい場合は、成長投資枠を利用しましょう。

    成長投資枠はスポット購入も可能です。
    例えば、ボーナスが入りまとまった資金ができた場合に、成長投資枠でいつもより多めに購入することができます。

    商品選びに自信がない方や複数の商品管理が大変だと思われる方は、つみたて投資枠の購入可能商品と同じものを選ぶことも選択肢の一つでしょう。

    ただし、一括投資は一度に資金を投入するため、積立投資のような時間分散効果を得ることが難しいことも念頭に置き、タイミングを見計らって進めることが大切です。

    まとめ

    本記事では新NISAの成長投資枠について、つみたて投資枠との違いや購入できる商品、活用タイミングについて解説しました。

    成長投資枠は新NISAの投資枠の1つで、以下の特徴があります。

    年間投資枠は240万円 非課税保有限度額は1,200万円 投資信託だけでなく上場株式も購入可能

    成長投資枠の魅力は、つみたて投資枠の年間投資枠を超えて投資するのに活用できることや、豊富な種類の投資商品の中から、自分の運用戦略にあった商品に投資ができることです。
    気になる方は成長投資枠でしか買えない個別株を購入してみるのもよいでしょう。

    新NISAの成長投資枠をうまく活用し、将来のライフイベントに備えて資産形成してみてください。


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