債券そぼくな疑問

債券についてのそぼくな疑問におこたえします。

額面金額って何?

紙幣の場合、千円札には「1,000円」と記載されており、常に1,000円の価値があるとして取引されます。一方、額面1,000円の債券は、常に1,000円として取引されるわけではありません。たとえば、債券のパンフレットに「額面100円につき99円」と書かれていたら、「額面100円あたり99円で売買しましょう」ということなのです。満期まで保有すれば額面金額分の現金が投資家に返されます。
多くの債券は、新しく発行される段階では額面100円につき100円で売り出されます。その後、市場でやり取りされる際には、金利動向によって債券の価値が変わるため、額面100円につき98円になったり、102円になったり、市場価格が変化します。

株式とはどう違うの?

債券と株式の違いのポイントは、株式を持っている人(株主)はその企業のオーナーだけれど、債券を持っている人はその企業に単にお金を貸してあげているだけということです。

  債券(利付債) 株式
満期が設定されている
債券は満期(償還)の時期が予め決められており、満期時には額面金額が返還されます。
×
株式は満期がありませんから、いつまで保有するのかは投資家自身で判断します。
保有している人は発行体の経営に意見できる ×
債券を購入した人は、単にその発行体(国、地方自治体、企業など)にお金を貸してあげているだけです。

株式を保有している人は株主と呼ばれます。株主は株主総会に出席し、その企業の経営に意見をすることができます。株主はその企業のオーナーであるともいえます。
定期的に利子がもらえる
債券にはさまざまな種類があります。一般の個人投資家の方に身近な「利付債」の場合は、定期的に利子を受け取ることができます。利子の額は発行される際に予め決められています。
×
利子はもらえません。
利子とは異なりますが、企業によっては「配当」を株主に支払うことがあります。しかし「配当」の金額は一定ではありませんし、企業の戦略や業績の変動により「配当」を行わなくなる(もともと行わない)企業もあります。
株式会社しか発行しない ×
債券は株式会社だけでなく、国や地方自治体なども発行することができます。

株式を発行するのは株式会社だけです。
発行体(株式会社)が倒産・解散した場合 会社の財産を清算する際、株主よりも先に債務が返済されます。(ただし、資産よりも借金の額が多額の場合、返済されない可能性が高いと考えられます) 会社の財産を清算する際、債券などを含め会社が借金していた人に債務の返済をし、さらに残った資産があれば株主に分配されます。(ただし、資産よりも借金の額が多額の場合、返済されない可能性が高いと考えられます)

預金とはどう違うの?

債券と預金はまったく違う金融商品です。預金の場合、間接金融なので、リスク(信用リスク)をとるのは銀行です。万が一お金を貸した先が倒産してしまい、銀行にお金が返せなくなったとしても、預金者の預金は元金1,000万円までとその利息が保証されます。
一方、債券は直接金融で、投資家が直接お金を発行体(国、地方自治体、企業など)に貸すことになるため、投資家が信用リスクをとります。一般的に、預金より債券の方が利率が高いのは、この信用リスクを投資家自身がとっているからです。

債券の手数料は?

証券会社や取引の形態によって異なりますが、通常、債券の取引価格の中には手数料も含まれているので、別途、手数料を支払う必要はありません。
例えば、額面100円につき100円という価格で売り出されている新発債(新たに発行される債券)を100万円分購入する場合、投資家は証券会社に100万円を支払います。実はこの場合、証券会社は投資家からではなく、債券の発行体から手数料を受け取る仕組みになっているのです。

既に発行されている債券(既発債)の場合の手数料は?

既発債を購入するには2つの方法があります。1つめが証券取引所を通じて購入する取引所内取引という方法ですが、ほとんど行われていません。2つめが証券会社から購入する相対取引(店頭取引)という方法です。店頭取引の場合、各証券会社が、実勢価格に取引コストを含めた価格でお客様に販売しており、その差額が証券会社の収益になります。

経過利子って何?

債券(利付債)を売買する際に、前回の利払日から受渡日までの経過日数に対する利子相当額が「経過利子」として、債券の買い手から売り手に支払われます。経過利息とも呼ばれます。
例えば、2014年3月31日に発行されて、2017年3月30日に償還(満期)をむかえる債券があるとします。利子は毎年9月30日と3月30日に支払われます。この債券を新発債で購入し、2015年6月2日に買い手に売却したとしましょう。前回の利払日の翌日(2015年3月31日)から受渡日(2015年6月2日)までの利子相当額が「経過利子」です。経過利子は受渡日までの経過日数で日割り計算を行い、債券の買い手から売り手に支払われます。