Mikiko Minami’s colum

第3回 南さんと証券投資のハナシpart2

◆仕事をされながら証券投資をはじめたとのことですが、その後も証券投資をされていたのでしょうか?

30代も終わるという頃、39歳で遅めの結婚をし、その翌年に思いがけず子供を授かることになりました。あれほど利益をもたらしてくれた株式相場ですが、バブルもはじけ、山っ気を出して買った銘柄がひどく下がってかなりの損も出ていました。もちろん投資に使うお金は、余剰資金でした。家賃や生活費、衣装代といった必要経費などを投資に充てたことは一度もありません。「投資は余剰資金で」というのも母の教えでしたからそこはきちんと守っていました。ですから、損金を出しても、大きく生活には影響することはありませんでした。親の面倒をみる必要もなく、自分自身の家庭もなく、ただ自分一人の生活を自分でまかなっていればよかったあの時代、決して堅実とはいえない投資も経験できたことは私の財産になっています。

◆南さんにとって、証券投資は貴重な体験でしたね。

“お金がお金を稼ぐ”という体験を身をもってできたことは何事にも代え難い体験でしたし、自己実現のためにはお金はいくらあっても足りず、そのために投資というのは極めて有益な手段でした。また投資をしていると、さまざまな勉強が必要です。国際情勢、国内政治、企業情報・・・。もちろん新聞にも欠かさず目を通していました。ですからパーティーで男性ビジネスマンと一緒になっても話題には事欠きませんでした。
当時は株式をやっている女性が珍重されて、投資をテーマにした仕事の依頼も多くありました。邱永漢さんと対談させて頂いたこともありますし、株式をテーマにした番組で木村佳子さんや萩原博子さんとご一緒した時代もありました。あの頃は横一線でしたが、彼女たちはその後も学びや経験を通じて、今やお金のプロ中のプロとなり、メディアでも引っ張りだこの存在です。あのまま私もお金の勉強に突っ走っていればなぁとも思いますが、やはり私は父親譲りのところがあるのかもしれません。その才覚には欠けていると思います。

◆お子さんを出産されて、お金に関して感じたことはありますか。

結婚して子供ができると、本当にお金はいくらあっても足りません。今、私の一人息子は20歳ですが、子供は年齢ごとに多額なお金がかかります。現在国内の大学に通う我が子は来年あたりから留学を考えています。うちは文系ですが、医学部ともなるとまたかかるお金のケタが違います。知り合いのお子さんでロンドンの医学部に進んだ方がいますが、大学在学中にかかったお金が1億円だそうです。もちろんハナから払えないと言ってしまえばそれまでですが、1億円は難しいとしても何とか子供の大志は叶えてやりたいというのが親心です。
3年前に離婚し、昨年他界した私の元配偶者は芸術家ということもあり、お金に対する考え方は私とは正反対。なくてもお金を好きなだけ使う。足りなくなったら借金もいとわない。職業柄ということもあるかもしれませんが、結婚当初からかなり危なっかしい思いをしていました。離婚原因も経済的価値観の相違です。
離婚の数年前までは、夫が基本的に生活費は負担してくれていたので、子供ができてから私は子供を預けるときのシッター代(不規則な仕事ゆえ保育所は利用できませんでした)やおけいこ代、洋服、おもちゃ、書籍代など、そのあたりは全て私が負担していました。中でも、シッター代と教育費は相当大きな出費でした。

◆その時、証券投資はされていたのでしょうか。

母共々頼りにしていた証券会社の担当者が定年を迎え退職したのを機に、母がまた別の会社の若い担当者を私に紹介してくれました。新しい担当者から「株式は相当熟達していないと難しい時代になりましたし、お子さんもいるから損もしたくないでしょう」と言われ、私はその担当者に相談し、すべての株式を売り投資信託に乗り換えました。損金も出ていましたが、子育てと仕事に忙しく、情報を収集する時間もなかったので、この決断は正解だったと思います。
残念ながら現在は取り扱いがなくなってしまった、安全性や安定性の高いMMFや毎月分配金がもらえるグローバル・ソブリン・オープンなどを保有していました。特にMMFは30日以上運用すれば、いつでもお金の出し入れが自由でしたし、株式のように大きな利益を得ることはできませんが、その分リスクも小さい、ローリスク・ローリターンはその頃の私のライフスタイルに合っていました。最も、ハイリスク・ハイリターンの投資も経験していたからこそ、これらの投資商品の利点も理解できたように思います。

◆投資信託はその後も保有されていたのでしょうか。

その後離婚することになり、細かい話ですが、慰謝料もなく、親権も私が持つことになりました。この時投資に回していたお金をいったんすべて解約して、即金で住む家を買いました。結婚当初から元夫は持ち家を持たない主義で、結婚生活はずっと借家でした。事情が事情だったので投資信託をすべて解約してしまいました。
グローバル・ソブリン・オープンでは、海外の債券に投資することから円高というマイナス要因のため、損金が出てしまいましたが、投資資金がわたしの最大の人生危機を救ってくれたと言っても過言ではありません。息子が就職してひと段落したら、また投資を始めるつもりです。昔の勘を取り戻し、余剰資金でおこずかいを稼ぐといった感覚でしょうか?アンチエイジングにも投資は効果があると信じています。

~“証券投資の必要性”について聞くことができました。次回もお楽しみに!~

ワンポイントアドバイス

-美容のワンポイント- 新鮮な野菜や果物を摂取する

老化の原因として「活性酸素」が挙げられています。
私たちが生きるのに欠かせない酸素ですが、体の中に入り使われなかった酸素が酸化して活性酸素となり老化や病気が促進されるのだということが近年わかってきました。紫外線を浴びストレスにさらされることも活性酸素を産む要因だと言われています。

錆びない身体を作るために有効なのは「新鮮な野菜や果物」です。
しかし、厚生労働省が勧める1日の野菜の摂取量は350グラム、果物が250グラム。これらを実際手にしてみると分かりますが、結構な量です。外食が続いたりするとこれだけの量を摂取するのはなかなか大変です。
私はここ6年近く毎朝欠かさず数種類の野菜・果物で作った自家製スムージーを飲んでいます。季節によって、またその日によって使う野菜や果物は違ってきますが、ちなみに今朝は、ブロッコリー・大葉・セロリ・リンゴ・バナナ・ブドウのスムージーでした。
身体の酸化を防ぐフィトケミカルという物質が皮など本来捨ててしまう部分に多く含まれているので、リンゴやブドウの皮など丸ごととることができるスムージーにしています。
生の酵素や食物繊維なども野菜や果物に含まれていますから、意識して新鮮な野菜や果物を摂取することが健康や美容に大きく寄与すると私は信じています。

profile フリーアナウンサーエッセイスト 南 美希子(みなみ・みきこ)

1956年、東京都生まれ。聖心女子大学国語国文科3年時にアナウンサー試験に合格し、テレビ朝日に入社。情報・クイズ・歌番組などを主に担当し、特に伝説のOL向け情報番組「OH!エルくらぶ」の司会を長年務め「元祖女子アナ」として広く知られている。
現在は、テレビ・ラジオをはじめ、エッセイストとしても活躍中。ビジネススキル、美容、恋愛、女性の生き方、ワークライフバランスなどをテーマに講演も行なう。