景気GDP・GDP成長率・GDPデフレーター

GDPとは“Gross Domestic Product”の略で、日本語では国内総生産と呼ばれます。
日本のGDPは、内閣府から発表されます。

GDPって何?

国内総生産とはその国の中で1年間にどれくらいの「付加価値」が生産されたのかの総計額です。よく「日本は世界で第3位の経済大国だ」と言われますが、実はこの3位というのは、GDPのランキングなのです。つまり、GDPはその国の経済規模を示しているともいえます。2012年の各国名目GDPを見てみましょう。

2012年の各国名目GDP
アメリカ 162,446億ドル フランス 26,112億ドル
中国 83,584億ドル ブラジル 22,541億ドル
日本 59,358億ドル イタリア 20,133億ドル
ドイツ 34,259億ドル インド 18,752億ドル
イギリス 24,716億ドル ロシア 20,298億ドル

総務省:世界の統計2014
*1億の位以下切捨て

2000年には中国は7位でしたが2010年には2位に伸びており、ぐんぐん成長していることがわかります。また、ドイツの経済統計はよく注目されるのですが、これはドイツがヨーロッパ諸国の中では一番経済の規模が大きく、影響力が強いからです。

付加価値って何?

「総売上―原材料の購入額など=付加価値」です。

例えば、ビーズアクセサリーを作って売る店があるとします。この店では、原材料としてビーズや糸、金具などを仕入れてビーズのネックレスを作り、1つ2,000円で売っているとしましょう。このとき1つのネックレスの原材料が500円だとすると、このお店は1つネックレスが売れるごとに2,000-500=1,500円の付加価値を生み出していることになります。

GDP=国内で生産された付加価値の合計額=国内消費額+国内投資額+純輸出

GDPは国内で生産された付加価値の合計額のことですが、実は「GDP=国内消費額+国内投資額+純輸出(輸出額から輸入額を差し引いたもの)」という関係が成り立ちます。
つまり、モノを生産している側だけではなく、モノを消費している側もGDPに関わっているということです。投資額というのは、住宅など買ってもすぐにはなくならず数年間にわたって使い続けるものや、企業が工場を建てたり機械を買ったお金の合計額です。企業が抱えている在庫も、消費額と投資額に含まれます。

GDPとGNPは違うの?

昔は経済指標としてGDPではなくGNPが使われていました。GNPは“Gross National Product”の略で「国民総生産(その国の人が生産した付加価値の合計額)」のことです。「日本のGNP」と言った場合には、日本人が生産した付加価値の総額ですから、日本人が海外で生産した付加価値もその中に含まれます。しかしそれを把握することは簡単なことではありません。そこでGNPに代わってGDPが使われるようになりました。
GDPはどの国籍の人が生産した付加価値なのかは問わず、純粋にその国の中で生産された付加価値額を合計しています。

名目GDPと実質GDP

名目GDPとはGDPそのままの額のことで、実質GDPとは名目GDPから物価変動の影響を差し引いた額のことです。経済成長率を見るときには、実質GDPを使います。
名目GDPを実質GDPで割った数字をGDPデフレーターといいます。GDPデフレーターが1以上であれば物価上昇(インフレーション)であることがわかります。