金融直接金融と間接金融
預金者からお金を借りて必要な人に貸し出すことを「間接金融」、お金を必要とする相手に直接お金を出資することを「直接金融」といいます。
間接金融と直接金融の仕組みを知っておきましょう。
間接金融とは?
代表的な間接金融の商品が「銀行預金」
預金者からお金を借りて、お金が必要な人に貸し出すことを「間接金融」といいます。代表的な間接金融の商品がみなさんご存知の「銀行預金」。銀行預金の仕組みは下記のとおりです。
- 預金者が銀行にお金を預ける。
- 銀行はそのお金を他の人や会社などに貸し出す。
- 銀行はお金を貸した人から利息(*)をもらう。
- さらに銀行から預金者に利息が支払われる。
- *利息とは?
- お金のレンタル料のようなもの。お金を貸すときには、全額返ってこないかもしれない(信用リスク)可能性があります。そこで、お金を借りる人は貸してくれる人にレンタル料(利息)を支払うのです。
間接金融の仕組みと銀行の役割
お金を貸した人たちからもらう利息(3)と預金者に対して支払う利息(4)の差額分【(3)-(4)】が、銀行の利益になります。これを「利ザヤ」と言います。例えば、銀行がお金を貸した人から2%の利息をもらったとしましょう。そして銀行は預金者に対して1%の利息を支払ったとします。このとき【2%-1%=1%】が銀行の利益になるのです。
万が一、銀行がお金を貸した先が倒産するなどし、お金が返せなくなった場合は、銀行が損失を負うことになり、預金者の預金は(基本的には)安全に守られます。
直接金融とは?
主な直接金融の商品に「株式」「債券」がある
お金を必要とする相手に直接お金を出資するのが直接金融です。主な直接金融の商品に株式、債券があります。
直接金融の場合、お金を出す側を『投資家』と呼びます。投資家は、出資したい企業や国・地方自治体などの株式や債券を相手から直接購入します。そして、配当や利息を受け取ります。
直接金融における証券会社の役割
直接金融における証券会社の役割は、投資家と株式・債券などの発行体(会社や国・地方自治体)と投資家の間を仲介すること。例えば、ある企業が新しい事業を行うため、債券を発行し資金を集める場合、債券を購入してくれる人を企業自身で探すのは大変です。そこで証券会社は企業から手数料をもらって、債券の仲介販売を行います。
間接金融の商品である銀行預金を扱う銀行は「お金を貸す際の利息と預金者に支払う利息の差額」で儲けていますが、証券会社は「仲介する際の手数料」で儲けています。
直接金融のリスク
間接金融では貸したお金が返ってこないかもしれない可能性(信用リスク)を銀行が負っていましたが、直接金融の場合、信用リスクを投資家が負います。株式や債券を発行している企業が倒産した場合、投資家のお金は全額返ってこない可能性もあります。ですから、直接金融では「投資は自己責任」と言われるのです。
直接金融のメリットとデメリット
投資には信用リスクが伴うため、投資先が安全かどうかを自分で判断する必要があります。反面、預金に比べると投資家の利益が大きいというメリットがあります。つまり、リスクは「投資>貯蓄」ですが、リターンも「投資>貯蓄」です。