金融日本銀行と金融政策
日本銀行(日銀)は日本の中央銀行です。金融政策を決め、遂行しています。
日銀の動向は私たちの生活に大きな影響を与えています。
日本銀行の主な仕事
日銀の主な仕事は、以下の3つです。
- 日本銀行券の発行
- 金融システムを安定させる
- 日本経済を安定させる・景気を安定させる
(*具体的な方法のひとつに、金利を上下させることがあげられます)
金利を上下させる例
金利って何?
金利とはお金を貸し借りするときの“レンタル料”のようなものです。銀行同士で貸し借りするときの金利、銀行に預金するときの金利、住宅ローンの金利などさまざまな金利があります。
世の中の金利は連動しています。つまり、「あの金利は上がったけれど、他の金利は下がった」ということは(日本国内に限って言えば)基本的にありません。
日銀が金融政策でコール市場のオーバーナイト物の金利を上下させるのは、世の中の金利が連動しているから。日銀が直接上下させる金利は、世の中への影響力が強いのです。
金融政策はどうやって決めるの?
金融政策の基本方針は日銀が月に1~2回開催している、金融政策決定会合で決められています。
日本という国の基本方針を決めて実行しているのは政府ですが、金融政策は政府の干渉を受けず、日本銀行(日銀)が決めています。日銀が政府から独立していることに、とても重要な意味があります。
たとえば、日本の借金は年々増え続けており、平成26年度末には公債残高が780兆円になると見込まれています(*)。この借金を減らすために、もし政府が日銀に圧力をかけたとしましょう。お金の発行も日銀の仕事です。日銀は、借金を減らすためにお札をどんどん発行する政策をとることができます。世の中に出回るお金の量が増えると、『モノの値段』(物価)が急激に上昇し、お金の価値が下落してしまいます。この状態をインフレ(インフレーションの略)といいます。
他にも、政府が国債(国が発行する債券)を日銀に無理やり買わせたり、景気が過熱しているにも関わらず低金利になるような金融政策をとらせたりしたら、激しいインフレが起こってしまいます。
- *出所:財務省HP「公債残高の累計」
金融政策決定会合には誰が参加しているの?
金融政策決定会合には、日本銀行の総裁と2名の副総裁、それから6名の審議委員が参加しています。審議委員には、大学の教授など経済の専門家や、一般企業出身の人が選ばれます。
政府のメンバーは金融政策決定会合に出席することもありますが、意見を述べることはできても議決権は持っていません。
金融政策決定会合の結果をチェックするには?
金融政策決定会合についてはテレビや新聞、インターネットで報道されます。金融政策決定会合の結果は速やかに公表されることになっていますから、ほぼリアルタイムで知ることができます。もちろん、日本銀行のホームページにも詳しく掲載されます。